お酒についてくる辛いツナ缶 百式のツナ缶とサバ缶で有名な伊藤食品が、2018年の缶詰王国静岡で電撃リリースした「唐辛子を主たる調味ベースにした(ピリ辛の)ツナ缶」。ひとくちにピリ辛と言ってもメーカーや原材料によってだいぶ味に幅があり、本品はカツオで価格競争性と食感の個性をもとめたツナ缶といえる。 製品自体は無難にプロダクトデザインをまとめているが、プロモーションの仕方が独特。発泡酒6缶セットのおまけになっている本品を見てセットを買った、弊ブログにたどり着いた消費者もいると思う。これまでツナ缶の食べ方として提案されながら売り場で対面してこなかったものを「おまけにする」という形でくっつけ、知名度向上と元製品への購買意欲を並立した。見せ方が興味深いツナ缶だ。 本品単体を直接買うルートは限られている。スーパーではめったに見かけない。 ただし、ヨドバシで3缶セットを買える(2022.12現在527円、1缶175円)から「手に入りやすい」ツナ缶といえる。2020.5製造。 ☆缶を開けたところ 身は細かく液汁が多い。身の中が辛く、ストレートな辛味が口に広がる。そのぶん辛さ以外の味の情報量は少ない。 辛いのが好きな人であれば、既存レシピのツナ缶をコレに置き換え、ツナ料理のレパートリーを増やす…という使い方ができる。「暴君ハバネロを彷彿させるストレートな辛さ」……辛さの情報量が少ないながら頭にすぐ「辛ッ」と伝わるこの感覚は、キムチ鍋や大辛カレーに入れて他の辛味と共演させるのが案外ツウかもしれない。 なお、個人的には辛さの引っ込んだミヤカン・ピリ辛ツナや、(同系列の)オーシャンプリンセス赤唐辛子ツナが好み。記事下部のツナ缶スーパーリンクで解説している。 ☆各種評価 ・グレード ★★★☆☆ 3.0 ・価格 ★★★☆☆ 2.9 #182円/缶 ・味覚評価 ★★☆☆☆ 2.5 #辛口と中辛の間 ・入手性 ★☆☆☆☆ 1.8 #ヨドバシで買えるのは強い ・原産国 国産 ☆スペック 内容量 70g 219kcal/缶 食塩相当量0.7g タンパク質10.1g 原材料 かつお、大豆油、ローストオニオン、食塩、米発酵調味料、にんにくパウダー、野菜エキス、唐辛子、唐辛子ペースト JAN:4953009113546 製造固有記号/XF 製造者 伊藤食品株式会社(静岡県静岡市清水区幸町2-67) 製品ページ Tuna canning review No.177 ☆「ツナ缶スーパーリンク!」 ・(No.40)ミヤカン ピリ辛ツナ →ミヤカンの顔。油漬スタイルのツナ缶に唐辛子をあわせ、補助調味料で味を整えた「ピリ辛系ツナ缶」のモデルケースだ。 情報量を増やして辛さのパワーをおさえたことで、多くの料理に対応。完成度の高さが数多くの派生ツナ缶を生み出した。宮城のツナ缶を語るうえで欠かせない。 ・(No.136)モンマルシェオーシャンプリンセス国産唐辛子ツナ →ピリ辛ツナのフォロワー。缶の耳が天地についたF3号缶にビンナガと国産唐辛子を詰め、スペックアップさせたもの。製造は同じミヤカン。辛さの情報量(コクの深さ)はオーシャンプリンセス赤唐辛子≒ピリ辛ツナ>サスナガーリックツナ>伊藤食品ピリッと辛いという順位になる。高級品で辛いツナ缶って少ない印象。 ・(No.87)サスナ ガーリックツナ →唐辛子で調味してる点はピリ辛系ツナ缶と同じだが、得られた味はまったく違う。解釈違いってあるじゃん?あれだよあれ。 日本酒なら私はこっちだな。辛さのボリュームはガーリックツナ>伊藤食品ピリッと辛い>ピリ辛ツナという順位になる。これもかなり美味しいので、ツナ缶沼のお供にどうぞ。