「陽炎」って、春の季語らしい。
これを知ったときは、びっくりしたなぁ。
陽炎=真夏ってイメージだったから。
まさに、この曲のように、ギラギラしたイメージ。
「片影シリーズ」の「陽炎」は、
真夏に立ち上がる陽炎をイメージしてつけた。
物語上、季節を夏に限ってはいないけど。
むしろ、出だしは春だけど。
でも、イメージとしては、真夏の陽炎をイメージしている。
炎天下に立ち昇る、揺らいだ光をイメージしている。
掴もうとしても掴めない、
けれど、確かな熱を持った光の揺らめき。
「蜻蛉」あるいは「蜉蝣」にしなかったのは、
儚さだけでなく、熱を伝えたかったから。
真夏に立ち昇る、あの熱を、揺らぎを、
イメージしていたから。
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