「ピアノソナタ『月光』殺人事件」で考える起承転結③
May
22
どうやら、
この「ピアノソナタ『月光』殺人事件」。
原作では6話に渡って描かれた物語を、
アニメ化にあたり、
1時間にぎゅっと凝縮して放送したのが、
25年前のアニメ初版だったようです。
そして今回のリブートにあたっては、
前後編に分割しての放送なので、
OPやED、次回予告等に割く時間が
2倍になり、
本編に割ける時間が
さらに短くなってしまったのだと思う。
だからこそリブート版は、
随所でセリフやシーンが
カットされていると思うのですが。
そのような状況にも関わらず、
あえて追加されたシーン。
それが、第二の事件発生直後に、
コナンが壁に向かって、
犯人への怒りをぶつけるシーンです。
>>>許さねぇっ!!
>>>殺人を予告してそれを平然と実行するヤツなんて、
>>>絶対に許さねぇっ!!!
このセリフ、ここだけ見ても胸熱だし、
今後の展開を踏まえれば、
別の意味で胸熱なんだけど。
だけど、ただでさえ時間足りない中で、
あれこれ削りながらも、
原作にはあって、
アニメ初版にはなかった、
このセリフを
あえてぶっこむからには、
もっとこのセリフを
生かしてほしかった。
カセットテープという、
今ではもう時代遅れなツールを
トリックに使う以上、
そこを変えられない以上、
どうしてもカセットテープの仕組みを
丁寧に説明する必要が出てくる。
だから、そこでも時間が
取られてしまう。
にも関わらず、
初版にはなかったこのシーンを
入れる意味。
単なるファンサービスという
意味合いであったなら、
あえてここを再現することで、
原作ファンを喜ばせたいだけだったなら、
個人的には、
そんな中途半端なことは
しないでほしかった。
入れるからには、もっと時間枠取って、
全体をもっと丁寧に描いてほしかった。
拡大スペシャルが無理なら、
前編、中編、後編の三部作でもいい。
しっかり時間を取って、
冒頭とラストをもっと
丁寧に描いてほしかった。
その上で、初版ではカットされたあのシーンを
入れてほしかった。
そしたら、あのシーンが、あのセリフが、
もっとずっと生きてくる。
とてつもなく意味のあるものになる。
今後におけるコナンの
行動原理につながる、
とてつもなく重要なセリフになる。
シーンになる。
だけど、OPに合わせての駆け足な冒頭と、
EDにブツ切りされた上に、
時間も余韻も足りないラストを見せられると、
本当にあのシーンを復活させる意味は
あったのだろうかと思ってしまう。
冒頭とラストあっての、
あのシーンだと思うから、
冒頭とラストが削られているにも関わらず、
あのシーンだけしっかり追加されても、
本末転倒な気がするのです。
④につづく。
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