選んだ道と選ばなかった道と
Jun
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曲を聴きながら、久々に小説執筆のためのネタ出し。
橋姫が生まれたその時、柊は何をしていたのだろう。
何を思っていたのだろう。
どうしてその時に、美舟を救えなかったのだろう。
もしも、美舟が命を絶とうとしたときに、気づくことができていれば、
引き留めることができていれば。
そもそも、柊は恋に溺れる美舟をどう見ていたのだろう。
彼女をもてあそんだ男をどう思っていたのだろう。
美舟が村を離れる前に、忠告はしなかったのだろうか。
引き留めようとは思わなかったのだろうか。
もしも、それができていれば、橋姫は生まれなかったのかもしれないのに。
それともあえて、見逃したのだろうか。
美舟が村に縛られず、好いた男と自由に生きていくのを望んでいたのだろうか。
彼女は男の正体に気づいていたのだろうか。
気づいていたからこそ、引き留めようとしたのか。
あるいは、気づいていたからこそ、見逃そうとしたのか。
良かれと思って、あるいは致し方なく、選んだその道を、
彼女はどのように思っていたのだろうか。