水と油は混ざらない。 これを色々な方法で混ぜ合わせると、物凄い燃料が出来上がるのだ。 エマルジョン燃料とは、燃料油(この場合、A重油・軽油・使用済みてんぷら油、工場の廃油など)と水を、乳化剤(使用しない場合もあり)を加えてよく撹拌することにより、均一に分散させた状態のものだ。 要するにしゃばしゃばのマヨネーズみたいなものだ。 この水と均一になった油は、燃料として驚くほどの性能を示す。 ?窒素酸化物(NOx)の大幅な減少。シリンダ内の温度が下がるために、NOxの発生が抑えられるようだ。一般的に6割から9割の減少が見られる。(そういえば、ウォーターインジェクション装着のチューンドカーって、昔あったね) ?黒煙の減少。エンジン内部で水が爆発的に気化し、油をさらに微細化するために燃焼効率が上がるようだ。こちらも、6割から9割の減少が見られる。 ?燃焼効率の向上による燃費の向上。 こちらは、色々な考え方があって、はっきりとは分からないが、30%程度の向上が見込まれる(はず)。以上の理由から、現状でもかなり実用化されている。 ただ、「水が燃えます」「燃料は廃油です」などと言うと、いかにも怪しい話になってしまうので、誤解される事も多い技術なのだ。もっとも良いことばかりではない。 エンジン・オイルへの水の混入や、排気系の腐食も考えられるし、冬季では水と混ぜた燃料の凍結も考えられる。それでも、使用環境の変化が少ない、ディーゼル発電やバーナーとしての利用ならば何も問題ないだろう。燃料の効率って、まだまだ上がるに違いない。
Posted at 2007-09-29 20:20
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