1000Base以上の伝送にはLANの心線4ペア8本をすべて使用して通信するので、
余剰の心線はなく、電力は同じ心線を使って伝送します。
心線は電線径が24AWG(電線径を示す基準値)でも、0.51mmしかなく、
長距離になると線路抵抗のため電圧がドロップします。
このため、1ペアを一本の線路とみなす工夫がされています。
この線路での電位差(電圧)で電力を送りますが、注意が必要なのは
線路間の電位差で、グランド(接地面)との電位差ではありません。
電力伝送用の線路に通信信号を乗せる事を重畳と呼び、TVの増幅器などで
使われている技術で、決して新技術ではありません。
ただ、LANケーブルはストレートばかりではなく、クロスなども存在するので
想定されるケーブル等の対応は規格で定められています。
もう一点重要なのは、電力伝送はいきなり行われるのではなく、PSEが接続先を
PDとして認識し、手順を経て送電開始となるので、PSEの接続先が非PDの機器や
測定器であっても送電による機器破損は発生しません。
しかし、PoEには「亜種」やIEEE802.3に準じていない機器も存在しているいるので
PoEのシステム構築は、この部分の確認が絶対に必要となります。
特にPSEまたはPDのどちらかが故障で交換する場合には、厳密に規格の確認が
必要となります。
わかお かずまさ
VegaSystems
#LAN_PRO