竹中 郁の詩

竹中郁の詩

Feb

失はれたもの

もはや私の書くものには真実はない。
私から時間が離れていつた。
私から女のひとが去つていつた。
一枚の着物も引き剥がされていつた。
つひに私の絶望さへ。

私に信じられるものは、
最後に裸の私自身のみだ。
裸の私が歩いてゆく。
私の背ろを見せて歩いてゆく。
しかし、それさへやがて強烈な太陽のもとに
ㅤ見えなくなってしまつた。
吸取紙の中へ消えてゆく文字のやうに。

(竹中郁〈たけなかいく〉。1904〜1982)

#詩

* indicates required fields

*Name:

*Comment:

🙂 Using emojis in your blog:
• Keyboard shortcuts: For Mac, press [Ctrl + Cmd + Space]; for Windows, press [ Windows Key + . ]
• Copy and paste: Find a list of emojis and paste them into the text field.

Display Image:

Image Position:

none
center
left
right

Display Avatar: If checked, your avatar will be displayed

*Password:

*Captcha:

Commented by bokushi
Posted at 2017-02-10 20:59

もはや私の書くものには真実はない。
の冒頭ショッキングですね。
そして、最後まで読んで、さらに冒頭の言葉がショッキング。
なんだろう。。。詩って力がありますね。

私も書いてみたい。。。けど。。。何が出てくるのか自分でも分からないですねーー。

Commented by 齋藤純二
Posted at 2017-02-11 03:11

この詩、インパクトありますよね！
bokushiさん、コメどうも！

S	M	T	W	Th	F	S
					1	2
3	4	5	6	7	8	9
10	11	12	13	14	15	16
17	18	19	20	21	22	23
24	25	26	27	28	29	30

詩は元気です ☆ 齋藤純二

freespace

竹中郁の詩

introduction

calendar

latest comments

hashtags

history

freespace

People Who Wowed This Post

People Who Wowed This Post

People Who Wowed This Post

introduction

calendar

latest comments

hashtags

history