二十億光年の孤独にさよなら
Apr
7
「ねえ、わたしたちにはやっぱり、お父さんとお母さんはいないのかな」
と、ピンクちゃん。微笑むイエローちゃん。
「だって、だってさみしいもん。知っているもん。私たちが試験管から生まれたこと」
「うん」
「でもさ、ほんとうにいないのかな」
「う〜ん」
「できることなら、会いたいなあ」
「会えるよ」
「イエローちゃん、今なんていった?」
「会えるよ」
「そうなの、ほんとうにそうなの」
「うん」
「信じる、イエローちゃんのこと」
「うん」
宇宙船はどこへ向かっているのでしょう……
ピンクちゃんとイエローちゃんの先には希望と夢しかありません。それはさみしいけどさみしくない、孤独だけど孤独でないということなのでしょう。ひとりじゃない幸せがあれば、どこへ行こうがどうでも良いことなのかもしれません。
「イエローちゃん、なんだか眠くなっちゃった。おやすみ」
「おやすみ」