未来、未来、未来に子どものピンクちゃんとイエローちゃんがいました。ふたりはとても仲が良くて、いつも一緒、宇宙船に乗って旅を続けています。ケンカなんてしたこともありませんでしたし、もともとケンカの意味も知りません。ピンクちゃんはとてもお喋りで、イエローちゃんはニコニコと話を聞いて微笑んでいました。ピンクちゃんはお父さんとお母さんの話をしていました。 「ねえ、わたしたちにはやっぱり、お父さんとお母さんはいないのかな」 と、ピンクちゃん。微笑むイエローちゃん。 「だって、だってさみしいもん。知っているもん。私たちが試験管から生まれたこと」 「うん」 「でもさ、ほんとうにいないのかな」 「う〜ん」 「できることなら、会いたいなあ」 「会えるよ」 「イエローちゃん、今なんていった?」 「会えるよ」 「そうなの、ほんとうにそうなの」 「うん」 「信じる、イエローちゃんのこと」 「うん」 宇宙船はどこへ向かっているのでしょう…… ピンクちゃんとイエローちゃんの先には希望と夢しかありません。それはさみしいけどさみしくない、孤独だけど孤独でないということなのでしょう。ひとりじゃない幸せがあれば、どこへ行こうがどうでも良いことなのかもしれません。 「イエローちゃん、なんだか眠くなっちゃった。おやすみ」 「おやすみ」