Jul
17,
2021
落語に学ぶ「リーダーシップ」(第二話)
先日、少し触れた落語の話。今日はさらに続けて、落語を楽しむための「予備知識」をお伝えします。
1.落語の歴史
落語のルーツは、戦国時代にまでさかのぼることが出来るそうです。どうも戦国武将の「娯楽」として始まったとのこと。
その時代の落語の原型が、「笑い」がテーマだったのかは定かではありません。しかし、私の想像では血なまぐさい戦国時代であっても、恐らく人には「笑い」が必要だったのではないか、と想像しています。
そして時代は下がり、江戸時代。この時に落語の大ブームが到来。なんと江戸の町に125軒の「寄席」があった、とのこと。
125軒というと、どのくらいの規模か想像できますか? 当時の江戸の町は今の東京23区より少し狭いエリア。現在、東京23区にある映画館の数が約100軒ほどなので、今の映画館より多くの寄席が江戸には存在したということです。
コンビニほどではないものの、町の辻々に寄席があったイメージですね!それだけ江戸庶民の娯楽の代表格だったと言えるかと思います。
そしてその後、明治・大正時代には数々の名作が生まれたこと、そして「ラジオ」や「レコード」の普及に伴い、大ブレーク。それが昭和の落語ブームに繋がります。
2.演目
「演目」とは落語で話される物語、ストーリーです。演目には大きく「古典落語」と「新作落語」に分けられます。古典落語は簡単に言ってしまうと昔からよく話される演目で、新作は新しくつくられたもの。
なお古典落語は、元々ベースとなったストーリーから様々に派生して筋書きが出来た経緯もあることから、演じる落語家さんによって「アレンジ」OKとされているようです。
まるでジャズのスタンダードナンバーを、演奏者自身が好きなようにアレンジして演奏するのと同じですね!
演目の流れ、ストーリー仕立てや構成は概ね、以下の流れに沿っています。
「マクラ」→「本編」→「落ち(サゲ)」
つまり、「導入部分」→「メインストーリー」→「終章」
また演目には地域性もあります。江戸を中心として創作・演じられてきている「江戸落語」と関西を中心として創作・演じられてきている「上方落語」があります。
演目内容は、やはりその地域性を反映しているのか、上方落語の主役は商人が多く、江戸落語は武家文化が多い傾向にあるようです。もちろん東京で上方落語が演じられることも多いですし、その逆もしかりです。
ただ、パフォーマンスの仕方に違いがあります。例えば、上方落語は見台と膝隠しという調度品・道具を使用します。また途中に三味線やお囃子が入ったり、拍子木などの道具も使います。
3.噺家(はなしか)
先程から既に使ってしまっていますが、「寄席」という言葉。これは落語家(=噺家)のいわゆるホームグラウンド。このブログの冒頭の写真のような舞台です。
一段高い舞台になっているので「高座」とも言います。なお、噺家は自分の出番が来ると「出囃子」と共に高座へ上がります。落語家が登場しますよ!、という合図ですね。
また、噺家の世界、落語会には独自の「昇進システム」があります。これは江戸落語だけのものらしいですが、一種の階級制度です。それは、以下のようになっています。
「入門」→「見習い」→「前座」→「二つ目」→「真打」
なお東京には落語家の団体が4団体があり、昇進は各団体の判断・基準で決まる、とのことです。
ここまで、落語を楽しむための予備知識を、少しかいつまんで書いてきました。しかし今、このコロナ禍で、落語会・寄席は大打撃を受けています。映画館やテーマパーク、コンサート会場と同様に、寄席自体を開くことが出来なくなってしまっているからです。
寄席がホームグラウンドである落語家は「職場」を失って大変な事態に。
そこで先日、寄席や落語家の存続のため「クラウド・ファンディング」で寄付を募る企画が成されました。もちろん私は落語の大ファンの一人として、微力ながら寄付をさせて頂きました。
早くコロナが収束して、寄席や独演会に自由に行くことが出来る世の中になって欲しいです。
ではまた明日!
by 「働くあなたを元気にする」コーチ
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