患者として、戦争を考える
Aug
16
戦後70年目を迎え、あらゆる場所で
いろいろな角度から見た「戦争」が語られています。
ゆうこ新聞の読者には、80代~90代の戦争を体験した
読者も複数いらっしゃり、
「読者のおたよりコーナー」に寄せられたお便りの中でも
その「声」を見つけることが出来ます。
第17号「世界の診察室から」のトップページでは、
「戦争と健康保険」について少し触れ、私は次のように書きました。
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健康保険がなかった頃の日本は、
家族に病人が出ると、病気の治療費が払えず、
子供を売ったり、一家心中する家が少なくなかった。
1938年、初の「健康保険」が出来たが、
第二次世界大戦が勃発したことにより、
日本はめちゃくちゃに。
「健康保険」どころではなくなってしまった。
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この号を読んだ80代の女性から寄せられたお便りにも
「戦争中、国のお金のほとんどは軍事費にあてられ、
健康保険どころではなかった。病人は足手まとい以外の
何者でもありませんでした」
と書かれていました。
今、ほとんどの人が「保険証」を持ち、
風邪やケガ、虫歯などでも病院に行くことが出来る。
それは「平和」だからなのです。
人工透析や、インスリン、ステロイドなど
「定期的に投与しないと、命にかかわる」人も、
今、日本が平和で「国民皆保険」というものがあるからこそ
当たり前にように治療を受けられる。
仮に戦争になったら、その空気を直に感じる前に、
私たちのような定期的に投薬治療を
必要とする者から、悪化し、弱り、死んでゆくことでしょう。
「健康保険」「難病の特定疾患」「高額医療制度」
そのすべてが崩壊したと想定して下さい。
だから、戦争は絶対にダメ。
今日は「難病患者の目」からみた、戦争について
書かせていただきました。