会場でいただいてきた資料。
「SLE(全身性エリテマトーデス)セミナー」
後半のリポートです。
プログラム2は、専門医と当事者(司会者含)6名に
よる貴重なトークセッションでした。
司会として加わった全国膠原病友の会の森代表理事、
同会の北原さん(17歳で強皮症、21歳でSLE発症)と
西尾さん(15歳でSLE発症)がパネリストとして登壇。
3人とも28~35年という長い時間をSLEと共に過ごし
頑張ってきた当事者です。
患者と主治医、双方からの視点で意見交換が行われ
これまた(得意の)すごーーーくざっくりだけど、
次の4つが主なテーマでした。
1・診察時間は何分くらい、どんな話を?
2・数値の説明、どのレベルまでやりとりを?
3・医師以外の医療関係者(ナースや薬剤師)との関係
4・主治医に訴えても『そうなんだ~』問題
【1】 「(落ち着いている時)診察時間は5分くらい」
(北原さん・西尾さん)
・退院後などは詳しく説明を受けたが、症状が
落ち着いている時は(自己管理出来ていると想定され)
5分満たないことも。
・大学病院なので仕方ないかなという思いもある。
(奥先生)
・初診時は30分くらいは説明。さらに検査データが出る
までの1時間に(患者さんの頭の整理が少しついたところ
で)話をして、出た数値を見ながら「重要項目」
「薬の副作用」「臓器の障害」などカテゴリー分けして説明。
(石井先生)
・最近クラークがついたこともあり2~3分で診察が
終わることも。
・説明が必要な人には30分くらいかける一方、
「早く帰りたい」という人もいるため。
【2】 数値の説明、どこまで聞きたい?話したい?
(奥先生・石井先生)
・異常値に関してはなるべく説明している。
(北原さん)
・仕事上(医療関係)ある程度数値(許容範囲)が読める
ので、特別ひどい時でない限り、こちらからは聞かない。
(西尾さん)
・悪い時は主治医側から伝えてくれる。
・今はデータをプリントしてもらえるが、昔は口頭説明
だけだった。混んでいて早く切り上げたいと焦る先生に
不明点を尋ねるのには、苦労した。
・忙しくて大変なのも分かるが重要なところは
しっかりと伝えて欲しい。
(渥美教授からコメント)
・ヨーロッパでは15分、アメリカでは30分くらいとる。
ただ、日本との違いは1日10人くらいしか診ないこと。
【3】 看護師や薬剤師の存在に助けられるシーンも
(西尾さん)
・専門的で難しい話を理解するのに苦労し、薬剤師さんに
数値のことを尋ねことも。
・転院してもかかりつけ薬局は変えなかったことで
助かっている。
・長い入院が多かった10代の頃、周りが年配患者ばかり
なのを気にかけて話をしてくれた看護師に救われた。
・外来時も看護師との接触があったが、転院先では
それが無いことに若干とまどいが。
(北原さん)
・新たに薬を処方された時(主治医からの説明もあるが)
「飲むにあたっての生活面のアドバイス」を聞ける薬剤師の
存在がありがたい。
(石井先生)
・(薬剤師に聞くのも良いこととした上で)
時々、主治医と薬剤師の考えが違う時がある。
(処方する側と、調剤する側の)コミュニケーションは
積極的にやっていきたい。
【4】 コミュニケーションと「そうなんだ~」問題
(北原さん)
・気になる症状を訴えても主治医に「あ、そうなんだ~」
と流されたことで、その先の話を続けられず症状が悪化
した体験から「うまく伝える必要性」を感じる。
(西尾さん)
・質問を2~3用意していても、ひとつの症状で時間の
多くをとられる。あとで後悔するが、全部聞くのは難しい。
・自分が困っていても、主治医には「そうなんだ~」と
重要視してもらえない。3、4回繰り返し伝えてやっと
「そんなに言うなら検査してみようか」となる。
・「そうなんだ~」でなく「それはこうだから、大丈夫」
と説明して欲しい。
※以下、先生側のお話には、プログラム1での発言も
含まれています
(奥先生)
・患者との雑談で聞いた出身地や趣味などをカルテに
記録。体調不良や経済的困難など、状態を知るきっかけにも。
(石井先生)
・患者の表情を観察しながら診察。少しでも不満そうな時
は「どうしてかな?」と気にするようにしている。
(森さんから、先生方に質問)
・(医師らは、診察室の外での患者の様子を知らない、
とした上で)
「どんな風」に伝えたら(患者の日頃の)生活に役立ちますか?
(奥先生)
・「困っていることの最重要項目」を(箇条書きにして)
話してくれると助かる。5W1Hを完璧に…とは
言わないが、時系列でいつからどこがどのように…と。
(石井先生)
・分かりやすく…との思いからくる“伝え過ぎ”に
困ることも。「一番困っていること」を簡潔に
伝えてもらいたい。
・就職や結婚他「人生の転機」にある時は教えて欲しい。
それに合わせて薬を変える必要がある時も。
(最後に渥美教授からまとめ)
・4~50年前と比べ、確実に良くなっているSLE治療。
SLEではない人と同じような生活が長く送れるように
なることを目指して(研究・治療)いる。
・そのためには医療の基本である「コミュニケーション」
が大切。(医療者側も)努力していきたいと思う。
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Posted at 2019-03-09 19:08
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Posted at 2019-03-10 20:35
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