油漬のシーチキン、水煮のノンオイル 戦前からツナ市場を手中におさめていたはごろもと異なり、戦後最も大きく発展しツナ市場に食らいついたのがいなば食品である。1970年代にいち早くキハダの優位性に気づき「ライトミート・ツナ」、略して「ライトツナ」を輩出。その価格競争性の高さと食べきりサイズの3缶シュリンク販売を武器に、シーチキン一強だった国産ツナ缶の勢力図を塗り替えていった。カツオがライトミートでないという誤解を生む程の勢いで。 そんないなば発展の歴史を語るうえで欠かせないのが、本品ライトツナスーパーノンオイル。言ってしまえば戦前から輸出向けに存在した水煮缶だが、そこにスーパーとつけたことで仰々しく見えて(実際には水煮缶のデファクトスタンダードが市場に存在しなかったから)消費者とスーパーの棚に定着した。 国産品とタイ製造品の見分け方 ライトツナスーパーノンオイルは3種類の同等品が知られており、 ・【国産品】ライトツナスーパーノンオイル ・【タイ製造】ライトツナスーパーノンオイル ・【セブンプレミアム/タイ製造】ライトツナスーパーノンオイル と、それぞれ産地や販路が異なっているものの、基本的な味や適性レシピに変わりはない。【国産品】は若干がグレードが高く、【タイ製造】はタイで作って更にコストパフォーマンスを高めた(現状はこちらのほうが消費者によく知られた)製品である。見た目の違いは【タイ製造】のほうが全体的に見た目の圧が高いこと、【国産品】は国産品と書いてあること。 本ブログでは、たまたま綾瀬のヨーカドーで調達できた【国産品】と、中身や味に大差ないと説明するための比較用に【タイ製造】を用意した。それぞれ2019.11、2013.7製造。タイ製造のほうは過剰熟成だって? 気にしてはいけない。 ☆缶を開けたところ ↑国産品↑ ↓タイ産↓ 国産、タイ産ともに下味はしっかりついているが、タイ産は生臭さが目立つ。加熱した料理であっても、味が薄いと気になってしまうレベルの生臭さ。 国産は「アスリートなので缶だけ食べる」人、タイ産は味の強い調味料(マヨネーズやドレッシング)と合わせる前提で有効活用できると思う。どちらも値段なりの、水煮缶の標準品として十分な味を持つ。 上には上がいるが、別にこれを毎日食べていても心がすり減ることはない。トップバリュの水煮缶(No.121)よりはずっと良いと私は信じてる。 ☆各種評価(国産品) ・グレード ★★★☆☆ 3.0 ・価格 ★★★☆☆ 2.6 #149円/個 ・味覚評価 ★★★☆☆ 2.6 ・入手性 ★★★☆☆ 3.1 #ヨーカドーには居る ・原産国 国産 ☆スペック(国産品) 内容量 70g 53kcal/缶 食塩相当量0.7g たんぱく質12.5g 原材料 きはだまぐろ、野菜スープ、ナチュラルミネラルウォーター、食塩、帆立貝エキス/調味料(アミノ酸等)、紅藻抽出物 JAN:4901133061509 製造固有番号+INB 2 販売者 いなば食品株式会社(静岡市清水由比北田114-1) 製品ページ Tuna canning Review No.158 ☆各種評価(タイ製造) ・グレード ★★☆☆☆ 2.0 ・価格 ★★☆☆☆ 2.1 #99円/個 ・味覚評価 ★★☆☆☆ 2.2 # ・入手性 ★★★★★ 4.8 #全国各地のいたるところで ・原産国 タイ ☆スペック(タイ製造) 内容量 80g 55kcal/缶 食塩相当量1.0g たんぱく質13.2g 原材料 きはだまぐろ、ナチュラルミネラルウォーター、食塩、酵母エキス、野菜エキス、調味料(アミノ酸等) JAN:4901133080203 製造固有番号YYK T2 販売者 いなば食品株式会社(静岡市清水由比北田114-1) Tuna canning Review No.159 ■「ツナ缶スーパーリンク!!」 ・(No.121)トップバリュの水煮缶 →お値段的にこんなものだろう。一段階下げた感じ。 ・(No.135)モンマルシェ 水煮ソリッド →人から貰ったら嬉しいけど、自分で買うには勇気がいる。おねだん比4倍の価値を感じられるかどうか。