9月29日に開催された、パペットセラピー学会の年一回の大会に、私はコロナに感染してしまったため参加できなかった。
皆さんに対面でお会いできなかった事、自分のやるべき仕事ができず、周りに負担をかけてしまったことは本当に悔やまれる。
が、パペットセラピーは、自分にとって何なのか?考えなおす機会ともなった。
パペットを手にすると心が動き、しゃべらせたくなる人は多いかも、、、、と安直に考えてはいけない。その状況で、その人がリラックスしているかどうか?が非常に大きく影響する。他人からどう見られるかな?と緊張していると、パペットの操作と自分の心はつながらない。
パペット(人形)のチカラはそもそも大きい。
ニコニコした人がパペットを持って登場しただけで場を和ませてしまう。パペットは、新奇性、安心感(非侵襲性)、優越感、連帯感、などの機能を持っているからだ。
しかしパペットを扱う人が、ホスピタリティを持っていない場合は保育、教育、介護の現場で、効果を現すことはない。
※ホスピタリティとは、相手の人権を尊重し大事にすること。
なぜならパペットは、操作する人間とそこに接触する人間の両方の心を映し出すメディアとしての役割を生まれながらにして持っているから。自分の日頃の考え方や性格などの人間性が出てしまうのが腹話術だと池田先生も言っていた。そして見る人は想像力で観るのでその人の主観があたりまえに入る。
そう考えてくると、パペットセラピーにおいては、相手を変えようとか、感動させようとか、そんな意識は邪魔でしかない。
ステージパフォーマンスにおいては、どう見られるか?という緊張感があるのは大前提で、腹話術師は優れた芸を見せなくてはならないプレッシャーが常にある。
パペットセラピストも同じで、どう見られるか?の緊張感は常にある。その上、ホスピタリティを持って即興で演技しクライアントに対応する能力が必要となる。
これはやはり、玉川大学でかつて学んだドラマ教育とリンクするなーと、思った。
しかし誰もができる事ではないように思う。
パペットセラピーの正体は、何だろうか?
パペットを使ってセラピーするなら、生き生きとパペットを操作でき、錯覚を起こせたほうが良いだろう。つまり腹話術のテクニックが役に立つという事だ。
でもそれは表層的な部分しか見ていない気がする。
ざっくりだが、パペットセラピーも腹話術も、見てくれる人と良い関係を結びたいという動機がある。
両者の違いは?
パペットセラピーはホスピタリティを持った術者とクライアントとの対話が主軸となるが、いわゆる演芸の腹話術は、showであって、作品を見せる側と鑑賞する側、という関係が前提となっているため、ホスピタリティではなくサービス精神に重きを置かれる、という事なのかな???
なんかこれも一面的な見方のような気がする。
パペットありき、ではなく、
まず
わたしがいて、あなたがいる。