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初恋の悪魔~真相は掴めない光か影か~

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ドラマ「初恋の悪魔」について、
「この作品は事件の当事者に真相を直接語らせない」と
考察をしている方がいて、ものすごく腑に落ちた。

当事者には直接光を当てず、背景の光でもって
当事者の影を映し出しているようにも思えてきた。

まるで、舞台のホリゾント幕だけ照らして
役者の影を浮かび上がらせるように……。

下記サイトの「シルエット」のようなイメージ。

舞台照明用語集
https://wickedchild.nobody.jp/term/lighting.html

もしかしたら、「エフェクトマシンで投写された影」の方が
近いかもしれない。

周囲が光を当てないと、途端に掻き消えてしまう影。

照明大辞典 エフェクト・マシン
https://weblio.jp/content/%E3%82%A8%E3%83%95%E3%82%A7%E3%82%AF%E3%83%88%EF%BD%A5%E3%83%9E%E3%82%B7%E3%83%B3

この作品はたぶん、刑事が犯人や被害者、
事件そのものに迫る物語ではなく、

一般人に近い変わり者たちが、犯人や被害者の人物像、
事件の全体像に迫ろうとする物語なのかなと。

捜査権を持たないし、
持っても深入りできない彼らが追うのは、

あくまでも「像」なので、
光を当てないと消えてしまうのかなと。

本来は、本人に直接確認しないと
わからないことが多いけど、

あえてそれを封じることで、
周囲の証言や当時の状況から
推測せざるを得ない状況を作っているのかなと。

そうすることで、他人の状況や心情を類推する
必要性や重要性を描くと同時に、

危険性や愚かしさも描いているのかなと。

相手がどんな人物なのか。
どんな気持ちで何をしたのか、されたのか。

それを考えることはすごく重要だけど、
時として見方を誤り、像が歪んでしまう。

けれど、考えることを辞めてしまったら、

思い描いていたはずの人物像や全体像が
全て消えてしまう。

まるで、あることないこと騒がれた挙句に
忘れ去られた事件のように、

消え去ってしまう。

そしたらまた、どこかで似たような悲劇が
起きるかもしれない。

ボタンの掛け違えのように、連鎖のように。

だから、考えることを放棄してはいけない。
そういうことなのかなと。


#ドラマ #レビュー

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