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流産という言葉は、
「お産が流れる」
というように一般的に考えられていますが、
私はこの考え方にちょっと抵抗感を感じます。
捕らえ方があまりにも表面的で軽すぎます。
本来は、
夫婦から遺伝された新しい生命、
「その小さな生命体の死」
なのです。
その死を繰り返し体験された
不育症患者さんの悲しみは
いかばかりかと思います。
医学的にわかっていることですが、
初めて妊娠された100人の婦人中、約15人が
流産されています。
その15人中、約10人が
運命的な流産、
神様が決めた流産、
つまり、
小さな生命体(胎芽)の染色体異常による流産です。
この約10人の流産は受け入れるしかない流産です。
でも、残り5人は救えた可能性のある命なのです。
不育症患者さんの場合、
過去に2回以上流産されていますが、
3回目からの妊娠において、
過去の流産回数(2回から6回まで)にかかわらず、
100人中、約15~20人が
運命的な流産(染色体異常による流産)でした。
これは受け入れるしかない流産であり、
変えられない運命です。
しかし、
流産回数が増えれば増えるほど、
同じような治療をしても
繰り返し流産する人は増えていきます。
たとえば、
流産回数6回以上の人の場合、
治療しても流産する人は、
100人中50人以上です。
この50人以上の流産した人の中で、
変えられない運命的な流産の人は
約20人ですから、
残りの30人以上の人は、
変えられる運命なのです。
救える命なのです。
流産回数が増えていくに従って、
年齢も増えていきますが、
年齢の影響も受ける
染色体異常による流産率は、
ほぼ一定の約20%でした。
残りの流産の多くは、
変えられる運命にあるのです。
私は、長年の研究結果より、
流産回数の増加による流産率の増加の原因は、
最終的な原因として、
流産手術回数の増加による
子宮内膜のダメージ(炎症)の増加によるものか、
流産回数の増加による
反射的な精神的過緊張の増加によるものと
考えています。
それに対する最終的治療方法は、
ステロイド子宮内洗浄療法と、
強力な精神療法である考え、
実践し、
少しずつですが、
成果を上げています。
不育症の多くの方が、
卵巣の機能をチェックするために
基礎体温を毎日記録されています。
その基礎体温表は低温相と高温相に分かれており、
低温相から高温相に移行する日が、
排卵日です。
高温相は、月経周期の短い人、長い人に
かかわらず、いつも一定であり、
12~16日間です。
ですから、高温相が17日続いたら、
妊娠の可能性があります。
不育症の人の場合、
妊娠とわかってからの基礎体温測定と、
その表への記録は、
一般的には、
中止したほうがいいと、
私は思っています。
なぜならば、
不育症の人は、
不妊症の人と違って、
妊娠してからが心配、不安のピークです。
その時期に、
基礎体温表がわずかでも低下すれば、
それが生理的な範囲であるとわかっていても、
感情的には、
悪いように解釈してしまいます。
その繰り返すストレスが、
子宮内の毛細血管を収縮させ、
胎児への血液の供給を細くしてしまう
可能性があるからです。
また、医学的に見ても、
妊娠継続状態の判断のための、
基礎体温表の価値は
現在では、
ほとんどないと考えられるからです。
超音波検査で多くのことがわかる時代ですから。
少しの有益より、
多くの不利益があると、
私は思っています。
当院受診のある患者さんは、
ご本人の希望により、
妊娠時にも基礎体温は計っていますが、
表にはしていません。
表にさえしなければ、
ストレスにはならないそうです。
基礎体温表に振り回されないように。
主役はあなたです。
ストレスを感じたら、一旦やめる勇気を持ちましょう。
お産を終えた母親が、
わけもなく涙もろくなったり、
ゆううつな気分になったりすることを、
俗に、
マタニティー・ブルーと呼んでいます。
ご存知ですよね。
私が尊敬している
前・熊本大学精神科教授の北村先生らによる
ベビー・ブルーズ・プロジェクトという研究の結果では、
いわゆるマタニティー・ブルーに相当する方が
約9%存在していたということです。
ここで肝心なことですが、
同研究結果で興味深いことに、
妊娠初期の時点で
新しく精神障害を呈していると診断された妊婦さんが
約11%存在していたということでした。
その精神障害とは、
抑うつ、不安といった気分障害のことです。
この診断は、
専門的な精神科医が面接によって行ったものであり、
信頼性は高いと判断されます。
精神障害と診断された妊婦さんは、
ひとつには、
過去に人工妊娠中絶、自然流産、異常分娩などの
経験が多いからではないかと考察されています。
「 妊 娠 初 期 の 精 神 障 害 」
これって、
プレグナンシー・ブルー
というような造語で、
私は考えており、
不育症や、着床障害の方に
多いと感じています。
一日でも早く妊娠したい。
でも、
いざ妊娠したら、
恐い。
「 妊 娠 恐 怖 症 」
とも考えられます。
この心の葛藤を十分くみ取ってあげて、
心のケアーもすることが、
すなわち、
不育症、着床障害の治療の
基本と考え、
日々の診療にあたっています。
今までの流産のときを思い出してください。
妊娠がわかって喜びと同時に、
流産への恐怖心がありませんでしたか。
そんなとき、
わずかでも出血があれば、
頭が真っ白になりませんでしたか。
出血、すなわち流産。
当然、そのように連想されたことと思います。
そして、
たぶん、
絶対安静のように寝込んでしまいませんでしたか。
少し思い出しただけでも、
心が震えることと思います。
しかし、しかし、
本当は
妊娠反応陽性とわかってからの2週間以内の
出血なんか恐くありません。
恐くないんです。
なぜならば、
この時期において、
出血が主な原因で流産するという例は
ほとんどありません。
私の30年以上の経験から、
1%以下と思います。
あるとすれば、
先天性第13因子欠乏症という極々稀な例か、
巨大な絨毛膜下血腫等によるものです。
この時期の出血の主な原因は、
すでに流産となってしまったその結果による出血か、
下記で説明する
正 常 妊 娠 に 伴 う 生 理 現 象
による出血のどちらかです。
たとえば、
あなた自身にとって、
この時期の出血で、
最悪、
自然流産による結果としての出血となっても、
あなたの命が危険にさらさせることは
まずありません。
多くて生理の多い日の2~3倍ぐらいの量です。
ですから、
最悪な場合であっても、
あわてることなんかないんです。
他方、
その他のほとんどの場合においては、
この時期の出血は、
受精卵が子宮内に埋没するときに生じる着床出血か、
胎のうが大きくなっていくときに生じる
子宮内膜とのズレみたいなことによる出血と考えられてます。
つまり、
正 常 妊 娠 に 伴 う 生 理 現 象
なのです。
それなのに、
あなたが出血してあわててしまい、
ピリピリと緊張してしまったら、
その精神状態が
子宮内の赤ちゃんを
実は、
危険な状態にしてしまっているのです。
なぜならば、
過剰なストレスが、
子宮内のらせん動脈を細くしてしまい、
胎児への血流を低下させてしまうからです。
ですから、
妊娠して2週間以内の出血があっても、
正 常 妊 娠 に 伴 う 生 理 現 象
と信じて、
(信じきってしまうのです)
(それが赤ちゃんにとっていいからです)
いつもどおりの生活を送っていてください。
寝込むのは簡単です。
しかし、
寝込んでしまったら、
血流は悪くなるし、
熟睡できなくなるし、
かえって不安が増大するし、
いいことはないですよ。
赤ちゃんの生命力を信じて、
いつもどおりに過ごすということは、
本当に、なかなか難しいことです。
しかし、
それが一番いいと
私は思っています。
当院を受診される不育症患者さんの
4人に1人は38歳以上47歳以下の方であり、
5人に1人は体外受精・胚移植により妊娠されています。
精神的な危険因子を内在され、
不育症、着床障害の専門的なアドバイス、治療と、
特異的な精神療法を必要とされている方が
多くいらっしゃいます。
先日、
多くの困難を乗り越え、
やっと妊娠11週まで妊娠継続に成功し、
最後の超音波検査で
すくすく育った赤ちゃんを見て、
ついに感情を抑えきれず、
泣き崩れてしまった患者さんが
いらっしゃいました。
「ごめんね、
ごめんなさいね、
今まで育ててあげられなかった赤ちゃんたち。
もっと早くここへ来ていれば・・・。
ごめんね、
ごめんなさいね。」
私は、その言葉に
一瞬、戸惑い、驚いてしまいました。
そして、
ある言葉を思い出しました。
「死者に対する最高のたむけは
悲しみではなく、
感謝の心だ。」
という内容です。
そこで、
「
今までに亡くした赤ちゃんたち。
子宮の中だけのわずかな命であっても、
あなたの体のなかに来てくれたのです。
いろいろな運命を背負って、
精一杯生きてくれたと思います。
後悔するのではなく、
自分を責めるのではなく、
悲しみ続けるのではなく、
やっぱり、
感謝してあげてください。
その心が、
供養になり、
今回の赤ちゃんへの
より深い愛情につながると思います。
」
という内容をお話させていただきました。
現在、いろいろな相談メールを
1日2~3通ぐらい受けています。
2001年9月より初めてから、
約10年になろうとしています。
私は、メールを通じて、
いろいろな人生の考え方を
患者さんから教えていただきました。
私もいろいろと欠点のある弱い人間ですから。
人間とは弱いものですね。
自分の事として、
辛いことが起こったとき、
今までの自分がすべて無くなってしまったような
情けない気分になるものです。
外の社会が怖くて、
人が怖くて、
ひきこもってしまうことでしょう。
ある患者さんは、
そんなとき
キレイな景色を見に行くそうです。
少し気分が良くなってきたら、
「勇 気」 を出して、
公園に行き、
ひなたぼっこ
するそうです。
自分にやさしくなれれば、
「赤ちゃんをきっと抱きしめることができますよ」。
「希 望」 を持ち続けていれば、
大 丈 夫 で す。
今日、さわやかな朝に
道端に咲く小さな紫の花を見つけました。
小さいけれど リ ン として
キ レ イ でした。
人間以外の生物は、
きっと、
明日のこと、
これからのことを
心配することはないんでしょうね。
今日を精一杯生きる。
今日、何かをする。
人間も同じ生物の一員として、
それでいいようにも思います。
そう思うと、
何か心が安らぎます。
花の命は短いものです。
生きている今が
幸せなのかもしれません。
あんなに育ちますようにと
願ったのに
祈ったのに、
逝ってしまいました。
実母は前向きにと励ましてくれますが、
それも辛く、
喪失感と無力感と脱力感でいっぱいな私には、
無情に感じます。
同じ女性なのに、
おもいっきり泣かせてくれません。
こんなにも私は弱かったんだろうか。
今まで辛いことや苦しいことには、
自分なりに力を尽くし乗り越えてきたのに、
もがいても
もがいても
苦しみしか感じません。
旦那さんも
ふさぎがちな私に前を見ようとしか言いません。
子供は持ちたいですが、
今度の妊娠するのが怖いです。
妊娠中も
不安で
緊張で
身体がこわばってしまいます。
梅雨の季節の雨上がり、
朝日に光る小さな花々。
命の美しさを実感。
本当に キ レ イ 。
いつも何かにおびえてる。
いつも何かを心配している。
気分が時々ふさぎこむ。
そんなとき、
6月の花に触れてみて。
シルキータッチで、
生きたやさしさを感じます。
できれば、
小さなお花を
育ててみませんか。
土に触れ、
花を育てることが、
あなたの心を
少しだけ
癒してくれますよ。
2011年4月、
妊娠38週で元気な赤ちゃんが誕生しました。
その後も、母児ともに順調です。
出産された方は、
40歳代であり、
九州の有名な体外受精専門クリニックでの治療も含めて、
過去に20回の胚移植を経験されていました。
そのうちの17回は着床に失敗し、
3回は初期流産という結果でした。
21回目の胚移植前に、
当院を受診され、
着床障害の原因をみつけるため、
身体的な面と
精神的な面の両面において
検査を受けられました。
その結果、
生殖促進反応としてのM-CSF値が異常に低く、
抗リン脂質抗体が軽度陽性であり、
さらに、
精神面においては、
長年の心労により、
自己統御力が弱っていました。
想定外の出来事に対して、
心の受け入れ度が乏しくなってきていたのです。
そこで当院では、
移植前からの支持的精神療法
を中心として、
ピシバニール免疫療法、
ヘパリン・アスピリン療法を行いました。
当院での治療の核心部分は、
ご本人への心の気配りと、
精神的な安定がいかに大切かを
わかっていただき、
移植前からの心の不安を、
いっしょに克服していくことでした。
ご本人が、
今までの亡くした赤ちゃんといっしょに、
新しい赤ちゃんを誕生させるため、
心を開き、
怖いものは怖い、
でも、
新しい命の力を信じて、
すべてを受け入れられるよう、
支えになることでした。
今回、
ご本人の不安の克服と
信じる心が、
21回目の奇跡を生んだのでは
と
思っています。
本当に、ご夫婦で、
よく頑張られました。
心からおめでとうございます。
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