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遠くは北海道、宮城県、熊本県、福岡県からの
患者さんも含めて、
今日は、20人ぐらいの妊娠初期妊婦さんを
診察させていただきました。
お腹の中の元気な赤ちゃんと共に
当院を卒業されていった方々。
喜びの涙が印象的でした。
不安と戦いながら、
まずは順調な妊娠経過を過ごされている方々。
いつものように大丈夫、大丈夫と支援しています。
ちょっと心配な方もいらっしゃいました。
大丈夫、大丈夫と、
最後の最後まで赤ちゃんの生命力を信じて、
治療していきます。
当院の治療でも、残念な結果の方もいらっしゃいました。
偶然の運命によるものか?
治療が不完全であったためか?
今は、言葉がありません。
少しでも心の支えになれるよう、
寄り添いながら、
言葉をかけさせていただきました。
つらい記憶が
今日も私の心にのしかかってきます。
ご本人のつらさを考えれば、
へこたれるわけにはいきません。
今年こそは、
当院の治療にもかかわらず、
いまだ道半ばにある患者さんたちに、
夢を現実のものとしていただけるよう、
何とかする決意です。
私とスタッフは、夢をかなえられた多くの患者さんたちから、
本当に多くのお写真やお手紙やメールをいただいており、
スタッフ一同、心から感謝しております。
また、この上なく幸せに思っております。
この喜びこそが
私たちの生きがいでもありますから。
一方で、当院の治療にもかかわらず、
いまだ夢の途中の患者さんたち。
年々、妊娠さえしにくくなり、
焦りの気持ちが大きくなり、
でも、
妊娠しないことにもホッとされている、
心のどこかに、
これ以上傷つきたくないという気持ちがありますから。
私から言うのもちょっと変ですが、
赤ちゃんがいなければ不幸
ということではないと思います。
ご夫婦でいっしょに悩み、
いっしょに前進されている生活そのものに、
幸せがあるのではないかと思います。
そのひとつの結果として、
赤ちゃんが来てくれるよう、
私たちは精一杯、応援していきます。
つい先日、正月を過ごしたのに、
もう12月。
今年も終わり。
子供の頃の時間の記憶は、あんなにゆっくりだったのに。
いつの間にか、
大人になり、
いろいろあって、
いろいろがんばって、
今も人生、走りつづけ、
ますます時間が加速度的に早く過ぎていく。
私は、そんな日々から生き抜きするため、
ときどき、いなかへ行ってきます。
いなかでは、
人が少なく、
すべてがゆっくりで、
自然のなかで人が生かされているように感じます。
圧倒的な量の緑と空の世界、
空気の澄んだかおり。
今、自分が生きている、
生かされていることを実感します。
まわりの同世代の人には赤ちゃんがいて、
何の苦労もなく赤ちゃんがいて、
さぞや、まぶしく、うらやましく、ちょっとねたましく
思っていませんか。
生身の人間ですから、それが普通の感情と思います。
赤ちゃんに限らず、
すべてのことに、他人と比較してしまいますものね。
でも、それに過敏になりすぎると、
自分を見失ってしまいますよ。
人は人、自分は自分。
まあまあ健康で、
生活できるぐらいのお金はあり、
争いに巻き込まれていなければ、
人間の基本的な苦しみはないわけですから、
幸せの基本を持っているということですよ。
過去に妊娠初期流産を8回経験されていた時点で、
当院の開院と同時に受診された患者さんです。
ご夫婦の染色体検査、子宮MRI検査、子宮鏡検査、
卵巣、甲状腺、プロラクチン検査、感染症検査、糖代謝検査、
抗リン脂質抗体検査、血液凝固系検査、
NK細胞検査、免疫調節検査、細胞外マトリックス検査は、
すべて正常範囲でした。
精神分析結果では、軽度の不安障害、適応障害を認めました。
当院治療として、
9回目の妊娠より、
支持的精神療法、精神薬物療法を中心として、
身体的原因は不明でしたが、
ヘパリン、アスピリン療法、ステロイド内服療法を
行いました。
しかし、過去の8回妊娠と同じく、
9回目、10回目、11回目、12回目、
すべて、胎児の心拍を確認できず、
胎のうを認めるだけで流産されてしまいました。
そこで、
長年の経験から、
不随的なパニック的な精神的緊張があると考え、
精神薬物療法を増強しました。
さらに、
子宮内の非特異的な炎症があると考え、
妊娠前からの子宮内ステロイド洗浄療法と
妊娠極初期からのステロイド内服療法を行いました。
また、
ピシバニール免疫療法も併用しました。
その結果、
ついに長年の夢が現実となり、
今まで一度も超音波検査で見えたことのない、
赤ちゃんの心臓の拍動が、
妊娠6週時点で確認できたのです。
4mmの赤ちゃんでした。
妊娠7週で14mm、
妊娠8週で22mm、
妊娠9週で29mmとすくすく育っていきました。
今、振り返ってみると、
9回目、10回目、11回目、12回目、
すべての時に、
どれほど
希望から恐怖と絶望に追い落とされ、
さぞや辛かったろうと思われます。
今までの12人の天使の分まで、
強い子に育っていってほしいと願っています。
思いもかけなかった試練を受け、
それに耐え、
乗り越えようとしているあなたへ。
その苦しみと寂しさは、
たぶん、
夫、実母にもわからないことでしょう。
誰にもわからなくても、
あなた自身が生き証人です。
自分に正直に生きてください。
そして、
今の試練を乗り越えたとき、
自分を見直し、
自分を誇りに思うことでしょう。
想像妊娠という言葉を聞いたことありますか。
私が医学生であった40年ぐらい前に、
講義のなかで知りました。
女性は、精神的な状態が、
いかにホルモン環境に影響するかという典型例として、
説明されていたのです。
40年以上前には、簡単な検査で妊娠しているかどうかは
わかりませんでしたから、
子供の恵まれない女性が、
異常なぐらい
子供がほしい、子供がほしい
と念じると、
生理が止まり、
乳房が張ってきて、
つわり症状が出現してくることがあったのです。
しかし、赤ちゃんは居ません。
これが想像妊娠です。
このからくりとして、
プロラクチンというホルモンが関係しているのです。
プロラクチンは、日本語訳として、
乳汁分泌ホルモンと言われていますが、
ストレスホルモン、または妊娠に伴う愛情ホルモン
とも言われています。
過剰なストレス(中枢神経の興奮)によって、
脳下垂体からプロラクチンが過剰に分泌され、
そのプロラクチンが乳腺を刺激し、
卵巣機能を抑制することによって、
想像妊娠の状態になったのです。
また、
甲状腺機能低下による
手足が冷たい、身体が冷える場合にも、
精神的に、
心が冷えやすい抑うつ気分になりやすく、
さらに、
プロラクチンが過剰に分泌され、
乳腺が刺激され、
卵巣機能が低下することもあるのです。
医学的に
プロラクチンは、免疫機構を攻撃的にもしますから、
不育症、着床障害の原因のひとつと考えられています。
プロラクチンは、夜間睡眠時や排卵期に高値になりますので、
潜在性高プロラクチン血症をみつけるためには、
TRH負荷試験が必要です。
プロラクチンを正常化することにより、
不育症患者さんの妊娠維持が向上したとする
研究報告が、横浜市立大学病院産婦人科の平原教授らにより、
1998年のアメリカ不妊学会専門誌にすでに発表されています。
休日の昼下がり、
家の近くを散歩することがよくあります。
天気がいい日は本当にいい気分です。
そんなとき、白い雲を見ると
40年以上前の
「雲に乗りたい」
という歌をよく思い出します。
「 雲に乗り~た~い。
やわらかな雲に~。
望みが風~のよ~うに、き~えたから。 」
このフレーズがなぜか好きです。
悲しい思い出が自分を成長させてくれているような、
そんな前向きな気分にさせてくれます。
散歩道の途中、
土の小道を歩いたとき、
一匹のアリを見つけました。
大きな餌を引きずって、
一生懸命、
働いていました。
自分の小さかった頃は、
よく見かけた光景ですが、
久しぶりに発見して、
何か応援したくなるような、
命の愛おしさを感じてしまいました。
負けるな、アリさん。
2011年8月に無事女の子を出産。
胚移植23回目でやっと赤ちゃんを抱けました。
という
うれしいお便りをいただきました。
本当におめでとうございます。
この方は、
甲状腺の異常があり、
プロラクチンという乳汁分泌ホルモン値が高く、
NK細胞活性が高く、
精神的な緊張度が高い心身の状態でした。
治療として、
支持的精神療法と精神薬物療法、
ピシバニール免疫療法、
ホルモン調節療法
を行いました。
2008年11月より2010年12月まで、
約2年間、いろいろな検査と治療をさせていただきましたが、
その間、本当にがんばられました。
今までの多くの亡くした小さな命と向き合い、
苦しみぬいた、
ひとつの結果であったと思います。
最後は神様に感謝です。
不育症、着床障害のあなたは、
「神様はどうして自分に赤ちゃんを授けてくれないのか。」
「まわりの多くの人は苦労なしに授かっているのに。」
「神様は不公平。」
「私の何がいけなかったのか。」
と、
悩み苦しんでいることと思います。
本当に不公平ですよね。
でもどうしようもありません。
受け入れるしかないですものね。
当院を受診されている患者さんの半分ぐらいは、
東海三県(愛知県、三重県、岐阜県)外から
通院されていますが、
赤ちゃんを授かるため、
今を耐え、
ひたむきに、一生懸命、
前を向かれています。
私は、そのような患者さんを見ていると、
「今のあなたは、
女 性 性 として、
ほんとうに輝いていますよ」
と、言ってあげたくなります。
当たり前のように何の苦もなく、
赤ちゃんを授かっている多くの女性と比べて、
少なくとも、
命の尊さ、はかなさを
いやというほどわかっているのですから。
また、
今までに亡くした多くの小さな命を供養し、
これから来てくれる命を
心から願っているのですから。
この心の過程そのものが、
女性として生まれた証の
「女性性」 ではないでしょうか。
小さな命のいくつもの生と死を見つめ、
そんな運命を背負って今を生きているあなたは、
「女性性」 を心の奥底から発揮しているのです。
「女性性」 として輝いていますよ。
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