流産の手術時に
流産絨毛(赤ちゃん)の染色体検査をして、
その結果が正常ならば、
ほとんどの場合、
受精卵の原因ではなく、
母体に原因があるということになります。
例外的に、
従来の染色体検査では検出できない
染色体の微小欠失や微小重複による
連続流産も経験していますが、
非常にまれな頻度なのです。
流産絨毛(赤ちゃん)の染色体検査をして、
その結果が正常でも、
「やっぱり卵の異常による流産ですよ」
と言われることがあるかもしれませんが、
それは間違っています。
流産を繰り返さないためには、
母体(子宮内環境)の異常を見つけて、
治療することが必要ですよ。
妊娠(移植)すると、
おなかが痛くなるような感じ
ありませんでしたか?
腸は第二の脳と言われているぐらい
精神的ストレスに敏感に反応します。
ストレスは、免疫、ホルモン、凝固に
悪影響を及ぼしますから、
妊娠初期のおなかの痛み、ハリは、
要注意ですよ。
「どのような場合が不育症なのか」
について、
実はややこしいところもありますよ。
現時点での日本の定義は、
不育症とは、
同じパートナー(事実婚も含む)の間で、
2回以上の流産及び死産の経験があり、
生児が得られない状態のことです。
定義的な解釈の問題点として、
出産歴(生児)があれば不育症ではないのか?
定義的な解釈の注意点として、
現時点では、
化学流産は流産の回数には含めない。
化学流産とは、医学的に
「生化学的妊娠」のことであり、
妊娠検査薬は陽性ですが、
超音波検査で胎のう(胎芽の入る袋)は
見えないまま妊娠が自然に
終結してしまう状態のことです。
ちなみに、
欧州生殖医学会(2017年)では、
化学流産も流産の回数に含めています。
2008年5月より開院して、
13年と5か月間が経過しました。
2009年2月より、
専門医として日々感じていることを
ブログで発信しています。
最初のブログのタイトルは
「小さな命の運命」 でした。
現在までのアクセス数は、
1930842件であり、
約200万件にもなります。
そこで今回、
すべてのブログを最初から
じっくり読み直してみました。
そして、
今、注目してほしいブログを
14項目に分け、
「注目ブログ」 としてまとめてみました。
14項目は、
同種免疫、子宮内膜炎、ピシバニール、
アスピリン、妊娠ストレス、甲状腺、
プロラクチン、PGT-A(着床前スクリーニング)、
染色体検査、ごく初期の不育症、
二人目の不育症、妊娠初期の注意点、
抗リン脂質抗体、妊娠の認知行動療法
です。
今月中に
ホームページを一新して、
その中に 「注目ブログ」 を
ご案内させていただく予定です。
緊急事態宣言中、
当院の診察受付については
愛知県在住の方のみと
させていただいていました。
宣言解除に伴い、
10月1日より、当院では
「東海三県在住の方」 を
診察させていただくように
変更いたします。
日本では2020年3月頃より
コロナ禍にありますが、
新型コロナウイルスに立ち向かう
主役は 免疫 です。
ここ100年を振り返ってみても
これほど、免疫 が注目されたことはありません。
一般的に免疫力と呼ばれているのは、
NK(ナチュラル・キラー)細胞という
免疫細胞です。
NK細胞は加齢とともに減少しますが、
心の状態にも大きく変化します。
妊活中、妊娠中の方は、
元気な子を授かるために、
免疫 を安定させましょう。
そのために、
コロナ禍でも、
精神的ストレスをため込まず、
生活のリズムを壊さない
ことが大切です。
不育症患者さんからの
心に響くメッセージの一部を
以下に紹介します。
産めない自分がイヤで仕方なく、
産んであげられない命に申し訳なく、
・・・・・・・・・・。
子供のように笑いたい。
死んじゃったけど、家族です。
天国の子とつながっています。
他院で4回も妊娠初期に流産された方が、
当院にて治療され、
5回目の妊娠の今回、
妊娠10週で約3cmの元気な赤ちゃんの
動く姿 を見て(超音波検査画面にて)、
「 この子は5人分の命をもらった子です 」
と、ささやかれました。
生んであげられなかった子への
深い想いを感じさせられました。
初めての妊娠から
子宮側に問題があって流産されている方は、
半数以下です。
初めての妊娠での流産の原因の約60%が、
子宮ではなく、
運命的な受精卵によるものだからです。
しかし、流産は流産ですから、
その悲しみとショックは・・・。
それまでの人生で最大の挫折を
感じられる方も少なくはありません。
ましてや、
その不幸を繰り返し経験されて、
その結果、
生殖ストレス、同種免疫異常を発生させたとき、
また、ホルモンや凝固系に異常を発生させたとき、
その結果が
流産の原因になってしまうのです。
連続する流産の原因を発生させないためにも、
流産した自分を 責め過ぎないで。
運命をも受け入れて、
流産した子を十分供養してあげてください。
流産した子の分の命まで受け継いだ
元気な子を授かれますよう
自分を信じてください。
白血球は、生体を守る免疫細胞ですから、
何かに感染すると、
白血球の数が増えます。
感染でもないのに、
妊娠初期は白血球の数が増えるのですよ。
妊娠初期の子宮内膜の白血球の数は、
排卵前の子宮内膜に比べて、
約3倍も増えているという報告があります。
妊娠初期の子宮内膜の白血球の中で、
その約7割が
特殊なNK(ナチュラル・キラー)細胞です。
特殊なNK細胞は、
胎盤になる細胞の数を増やす調節や、
新しい血管形成を助ける働きを
しています。
正常な妊娠現象においては、
特殊な免疫の働きが必要
なのです。
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