専門分野が違う
二つのクリニックを同時期に
受診しているとき、
治療方針が違うことは
稀にあると思います。
その多くの原因は、
専門分野の違いによるものです。
しかし、
そのような場合、
患者さんは、少なからず迷い、
場合により
嫌な思いを受けるかもしれません。
当院では、それを
できるだけ避けるためにも、
医師の診察のあとに、
専門の助産師との面談が
用意されています。
詳しく話してもらうことで、
違いの理由がわかり、
嫌な思いは
軽減されると思います。
5月の日差しの中、
風にそよぐ若葉をみると、
何かワクワクしてきます。
いろいろ心配事はあるけれど、
とりあえず、今、
健康に生きていることは、
幸せなことなんでしょう。
「 PGT-A異常胚と診断され、
移植を拒否された高齢の患者さんが、
他院で
そのPGT-A異常胚の移植を受けて、
健康児を出産されている 」
という研究報告が、
2022年4月にありました。
(Hum Reprod, April 2022)
57の移植サイクル(平均年齢は41歳)
のなかで、
7人が健康児として出産し、
1人が先天性心疾患を持った児として出産
(出産後に手術をして健康を回復)
していると報告されています。
研究報告の約1週間後には、
ニューヨークタイムズ(米国の有名な新聞)に
この報告の重要性が取り上げられています。
胚の遺伝子検査は、
魅力的な検査ですが、
必ずしも正確ではない
ということと、
高額な検査であり、
胚へのダメージと、
施設間での技術の差もありますから、
慎重であってもよいと思います。
お 姫 様のような ヒメ ジョオン。
今年も道端に
可愛らしくたくましい花、
ヒメジョオン(雑草)を
見かけました。
ヒメジョオンは繁殖力が強く、
ときには
アスファルトの裂け目からも
咲いています。
花言葉は
「素朴で清楚」です。
風になびく
ヒメジョオンを
見つめていると、
自然のパワーを
もらえるような気がします。
たとえば
レモンを見ると、
唾液が出ませんか?
想像力による現象です。
子宮は、ほぼレモン大です。
レモンに果汁。
子宮に血流。
胚移植後あるいは妊娠後には、
子宮に血流が充満しているような
そんなイメージを
想像してみることは、
効果があるかもしれません。
流産回数が増えれば増えるほど、
流産検体の染色体検査の正常率が増加する
ことは、すでに研究報告されています。
(Fertil Steril 2000)
一方、流産回数が増えても、
流産検体の染色体検査の異常率は、
ほとんど変化していません。
つまり、
流産回数が多くなれば、
子宮内の原因が多くなり(複雑化し)、
難治性となるため、
流産検体の染色体検査の正常率が増加
すると考えられます。
体外受精・胚移植についても、
不成功の回数が増えれば増えるほど、
子宮内の原因が多くなる(複雑化する)
ことは、容易に推測されます。
その原因は、
精神的ストレスと、
子宮内の身体的ストレスが
増えるからです。
早めの子宮側の原因検査・治療を、
お勧めします。
今月から不妊症治療の中の
人工授精、体外受精も保険適応
になりましたので、
本当に良かったと思います。
不育症についても、
流産検体(絨毛)の染色体検査が
保険適応になりました。
ただし、申請して認可された施設に
限定されています。
検査を受ければ、
流産の原因が
卵の問題(治療不可能)
(ほとんどが偶然の運命)、
あるいは、
子宮の問題(治療可能)
(原因を見つけて治療必要)
のどちらかが、
はっきりしますよ。
移植(胚盤胞)後の5日目頃には
すでに子宮胎盤循環(母児間交流)が
始まりまっているのですよ。
移植5日目までの発育が順調ならば、
胎児側細胞から出るβ-hCG
というホルモン(妊娠検査薬)が
血液検査ですでに検出できるのです。
移植(胚盤胞)後の10日目頃には、
早朝尿でも検出されます。
(これが一般的に言う妊娠検査薬)
生殖・発生学的に見れば、
移植後、胚が子宮内膜に接着する
最初の約4日間における
不成功の子宮側の原因は、
未だブラックボックスですが、
移植後5日目頃からの不成功
の子宮側の原因には、
「妊娠の同種免疫異常と
生殖ストレスの
複合的原因」
が高頻度に存在している
と考えられます。
生殖ストレスと同種免疫の
詳しい検査をしたうえで、
ストレスのよる子宮内細動脈の収縮を防ぎ、
ストレスによる子宮内免疫の異常を防ぐ
ことが最大の治療になると思います。
出産されていても、
2回流産(化学流産は含めず)されていれば、
不育症です。
不育症の疑いではありません。
不育症です。
保険内でできる不育症のお勧め検査は、
#超音波検査と、
ホルモン血液検査として、
#甲状腺機能検査と
#プロラクチン検査(負荷試験)、
免疫血液検査として、
#ループスアンチコアグラント
と、
#高カルジオリピン抗体・IgG、
#抗CL・β2GP1抗体・IgG
(この2項目のうち1項目)
#末梢血液一般検査
です。
#抗核抗体と、
#高DNA抗体検査
という免疫血液検査は、
不育症の原因ではないので、
一般的に検査する必要はありません。
#夫婦の染色体血液検査は、
疑いがあれば保険で検査できますが、
その異常を治療することはできません。
#子宮卵管造影検査と、
#子宮ファイバー検査は、
一次的な検査としては
一般的にお勧めしません。
ホルモン治療、
アスピリン、ヘパリン、オルガラン治療
抗生物質治療、
サプリ(ビタミンD、ラクトフェリン)治療、
漢方治療
ステロイド治療、タクロリムス治療、
免疫グロブリン治療
ピシバニール治療
PGT-A正常胚・移植治療
しても、
妊娠しないか、流産してしまう
難治性の不育症、着床障害の方は、
「生殖ストレスと同種免疫異常」
の 「複合的な原因」
が発生している可能性が高いです。
同種免疫異常の検査としては、
NK(ナチュラルキラー)細胞活性、
TNFα(腫瘍壊死因子)、
M-CSF(M-コロニー刺激因子)
Th1/Th2細胞比(IFNγ)等
があり、
生殖ストレスの検査としては、
当院独自の生殖精神分析
があります。
治療法としては、
支持的精神療法、精神薬物療法と、
ステロイド治療、ピシバニール治療の併用療法
になることもあります。
妊娠前(移植前)~妊娠初期の
支持的精神療法、精神薬物療法には、
特別な専門知識と、
多くの臨床経験が必要です。
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