2020年3月からの
新型コロナ感染対策として、
遠方からの受診制限等を
行ってきました。
この間、多くの患者さんに、
ご迷惑をおかけしています。
現在も、診療時間、受診受付等を
縮小しています。
2008年5月より2022年4月までの、
14年間の「治療実績」を
何とかまとめることができました。
過去の流産回数2~16回、
平均年齢35歳、
不育症初診者、5006名のうち、
治療された2073名の
治療成功率は、78% でした。
40歳以上の方の
治療成功率は、56% でした。
過去の胚移植回数5~28回、
平均年齢38歳、
治療された1605名の
治療成功率は、24% でした。
40歳以上の方の
治療成功率は、12% でした。
詳細は不育症と着床障害の
治療実績をご覧ください。
「治療実績」以外にも、
「当院の特徴」、
「検査」、 「治療」、 「原因」
の内容を更新しましたので、
チェックしてみてください。
コロナにロシアに物価上昇と、
昨年は息苦しい毎日でした。
今年こそ、
もっと気分良く
過ごしたいものです。
今年こそ、
元気な子を授かりますよう、
お祈りしています。
子宮内の細菌の遺伝子検査(EMMA,ALICE等)
の問い合わせがよくあります。
当院では行っていません。
商業ベースの高額な検査であり、
治療的価値が低いと考えられるからです。
アレルギー、 ストレス、
細菌感染、 ウイルス感染、
生活習慣の乱れ
などの原因により、
「免疫」が動くから「炎症」が起こり、
「炎症」を引き起こす免疫の異常が
着床不成功、
流産を引き起こしています。
細菌の遺伝子検査による
抗生物質、乳酸菌治療で
良い結果が得られないならば、
「免疫」の精査をして、
「免疫」の寛容状態を引き起こす
治療(ステロイド、ピシバニール等)
が最良の道と考えられます。
ステロイドは1948年に開発され、
タクロリムスは1993年にステロイドより
強力な免疫抑制剤として開発されました。
薬の胎児への移行性(胎盤通過性)について、
プレドニゾロンというステロイドは
胎盤をほとんど通過しませんが、
タクロリムスはヒトで胎盤を通過することが
報告されています。
(Br. J. Clin. Pharmacol. 76(6): 988, 2013)
ステロイドについては、
必要量をコントロールしやすく、
健康な妊婦さんへの投与例は世界的に多数あり、
胎児への長期的な影響も問題ないようですが、
タクロリムスについては、
健康な妊婦さん(臓器移植を受けていない)への
投与例は現時点でわずかですので、
長期的な母児への影響が不安です。
妊婦さんへのステロイド治療について、
私は30年以上の治療経験があり、
副作用も含めて、
最良の治療効果を得る技量を持っている
と思っています。
半分異物である受精卵が
子宮内膜に侵入すれば、
免疫細胞が活性化して、
必ず炎症(軽度)が起こります。
生理的な免疫反応により、
受精卵側の絨毛細胞の分化に必須な
コロニー刺激因子(M-CSF)が
充満され、さらに血液が充血してきます。
ところが、
アレルギー、細菌感染等の
原因があれば、
異常な免疫反応(慢性子宮内膜炎等)
が起こり、
移植失敗、流産となるのです。
異常な免疫反応が起こっているかどうかは、
Th1/Th2 検査だけではわかりません。
NK細胞活性や、M-CSFや、
TNFα等の免疫検査が必要です。
その結果により、
たとえばタクロリムスのような
ステロイド以上に強力な
免疫抑制剤の治療は、
かえって悪循環になることがあります。
子宮内や腸管や鼻腔は、
粘膜の管であり、
外気と接しています。
粘膜内には、
異物の侵入を防ぐため、
多数の免疫細胞が
存在しています。
何らかの原因で免疫細胞が
活性化すると、
「炎症」が起こります。
「炎症」が病的に慢性的に続くと、
慢性子宮内膜炎、慢性腸炎、慢性鼻炎
となるのです。
「炎症」の主な原因としては、
アレルギー、ストレス、
細菌感染、ウイルス感染
自己免疫異常、
生活習慣の乱れなどが、
考えられています。
慢性子宮内膜炎の原因は、
細菌感染だけではありませんよ。
慢性子宮内膜炎によると考えられる
不育症、着床障害に対しては、
「炎症反応」の直接的な原因である
「免疫異常」を詳しく調べて、
免疫を正常化する治療
をすることがポイントです。
朝夕冷え込んできました。
移植後あるいは妊娠初期に、
カイロでお腹、腰を温めていませんか?
カイロは、体温以上に
温度が上がりますから、
局所的に、「低温熱傷」になる可能性あり、
そうなると、
炎症性の免疫反応の異常が起こり、
胎児に危険です。
カイロではなく、
腹巻がお勧めです。
腹巻は体温を保温するだけですから、
子宮内の循環・免疫・ホルモン環境に
良いですよ。
気分転換に
山奥の地へ行ってきました。
まだ薄暗い早朝、
深い霧の中、
幻想的な風景に出会えました。
2回以上の流産経験があり、
その後も流産を繰り返されたら、
流産物の染色体検査が保険でもできますよ。
保険の場合、費用は約1万円です。
ただし、
保険で検査をできる施設は、
過去に流産物の染色体検査を自費で
20回以上されている医療施設であり、
保険診療を申請した施設に限定されています。
一般的に、
流産物の染色体検査が可能な施設は、
不育症の原因究明に熱心な施設の可能性が高い
と考えられます。
この検査をすれば、
流産した原因が
染色体異常という卵の異常(運命)によるものか、
染色体正常、つまり卵は正常で
子宮環境の異常によるものか、
はっきりするからです。
夫婦の染色体検査と比較して、
流産物の染色体検査は、
直接的な原因がわかるため、
非常に重要な検査ですよ。
詳しくは、当院ホームページの
「注目ブログ」の中の
「染色体検査」を見てください。
原因不明の不育症に対する画期的な治療法として、
約40年前に、
夫リンパ球免疫療法と、白血球輸血療法が
開発され、
約30年前に、
人免疫グロブリン療法が開発されました。
その後の多くの臨床研究において、
人の血液製剤による感染症(エイズ感染)等の
危険性と、
治療対象・治療方法の世界的多様性による
有効性の疑問により、
ほとんど治療法として使われなくなっていました。
今年の6月、
日本の山田秀人先生らのグループが
「人免疫グロブリン大量静注療法が
原因不明の不育症の治療法として有効である」
可能性を
信頼度の高い研究方法で報告しています。
(eClinicalMedicine.2022;50,101527)
難点は、5日間連続の点滴治療であり、
費用が約100万円と高額であることです。
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