「 赤ちゃんは欲しいけど、
妊娠はしたくない。
妊娠は 怖 い。
きっと、また、流産するから。
あの辛い流産手術があるから。 」
このような気持ちの人、多いと思います。
この恐怖に負けないためには、
赤ちゃんを抱きしめられるようになるためには、
運命を受け入れる「覚悟」が必要です。
流産は辛いですが、
10~20%の確率で運命的な流産が起こるのです。
受け入れるしかない流産なのです。
妊娠初期の出血を怖がらないで。
出血が 原因 で流産する人は、
ほんの 少数 しかいません。
それよりも、
出血により、
パニック状態となり、
そのために、
子宮内の毛細血管が収縮して
虚血状態になってしまう
ことが危険なのです。
妊娠初期に出血しても、
ご本人の命に係わるような大出血は
ほとんどありません。
出血の多くは、
妊娠に伴う 生理的な出血 なのですよ。
出血しても、
あわてない「覚悟」を持ってください。
もし、
たとえ、また、
流産するようなことになったとき、
わずかな期間でしたが、
命を宿す ことができた、
という現実に、
できれば、
「感謝するような心」
が、
流産した赤ちゃんに対しても、
これから来てくれる赤ちゃんに対しても、
力強い応援になるのですが。
血液をサラサラにする治療(ヘパリン、アスピリン治療等)
をしても流産したとき、
流産絨毛の染色体検査をすれば、
その治療が有効であったのかどうかわかります。
染色体検査が正常だった場合、
その治療法では効果がなかったということですので、
その場合は、
他の原因があるわけですから、
それを見つけて治療しなければ、
また、
辛い結果となる可能性が高いのです。
着床障害の場合は、
移植して妊娠判定まで育たなかったとき、
あるいは、化学流産に終わったとき、
流産絨毛の染色体検査はできませんので、
血液をサラサラにする治療が効果がなかったのかどうかは、
わかりませんが、
移植後より、
アスピリンを内服していて、
3回以上うまくいっていなかったら、
それ以外の原因があるのでは?
と、考えてください。
その原因のひとつとして、
ご本人も気が付かないまま、
「精神的な要因」
が増大していることが
よくあるのです。
たとえば、
移植したその夜から、
下腹部がチクチクしたり、
下腹部が重く感じられたり
そんな感じを
よくするようになってきていませんか?
移植した日から、
何かピリピリしていたり、
怒りっぽくなっていませんでしたか?
そのように感じる主な原因は、
精神的な過緊張や
過剰な不安、恐怖心によるものですよ。
そのような精神状態が、
アドレナリン様物質を介して、
子宮内のらせん動脈、毛細血管を
細くしてしまい、
子宮内環境を虚血状態にしてしまう
可能性が高いのです。
市販の妊娠検査薬で陽性(朝一番の尿検査)になり、
翌日の再度検査でさらに濃く陽性になったとき、
ほぼ妊娠です。
予定生理日前後で陽性判定ができます。
その後、一週間以内に、
(超音波検査で胎のうが見える前)
生理様出血となった場合、
生化学的妊娠(生化学的流産)(化学流産)
と、定義され、
その後の、
胎のうが見えてからの臨床的妊娠と区別されています。
体外受精・胚移植して、
化学流産が3回以上続いたら、
不育症でしょうか?
着床障害でしょうか?
答えは、
着床障害です。
臨床的妊娠が2回以上連続して流産した場合を、
不育症と言います。
不育症と違って、
着床障害の場合は、
血液をサラサラにする治療をしても、
あまり効果がありません。
ブログNo.241、No.242、No.243
を、参考までに見てください。
流産した時、
その原因を知りたいと思ったら、
流産手術の時に
「流産絨毛の染色体検査」 を受ければ、
流産の原因がわかります。
検査を受ける利点は、
1)結果が異常だったら、
運命を全うした流産であったことがわかり、
受け入れてあげるしかないことがわかります。
その異常の多くは、染色体の数の異常ですから、
たまたまの偶然による異常なのです。
ご夫婦から遺伝している異常は、
染色体の構造の異常ですが、
本当に少ないですよ。
結果が正常だったら、
子宮内環境異常による流産ですから、
助けられた赤ちゃんであったと判断でき、
すでに治療していたら、
その治療法では効果がなかったことがわかります。
ですから、
別の原因を見つけて、
違う治療法が必要であることがわかるのです。
2)また、どうして流産したのか、
はっきりと納得できますので、
必要以上の恐怖心がなくなり、
次の妊娠への覚悟と対策ができるのです。
検査を受ける欠点は、
1)自費の検査ですから、費用が高額です。
一般的に、5万~10万円かかります。
2)結果が異常であっても、
染色体の異常については治療できません。
偶然の異常による流産は、
妊娠の10~20%に起こります。
頻度は少ないですが、
ご夫婦からの遺伝の異常による流産は、
妊娠の最大約50%に起こります。
ただ、現実的には、
どの病院、どのクリニックでも
希望すれば検査ができるわけではありません。
検査を希望されるならば、
事前にお問い合わせください。
当院では、開院して5年間に、
215件の流産手術を行いました。
そのうちの157件(73%)の方が
「流産絨毛の染色体検査」 を希望されました。
157件中1件のみが培養不良で結果がでませんでしたが、
156件中108件(69%)が染色体異常でした。
また、手術しないで、
自宅で子宮内容物が排出し、
流産絨毛の染色体検査を希望された方が21件ありました。
21件中3件が培養不良で結果がでませんでしたが、
21件中13件(約62%)に異常が認められました。
流産した原因を知ることは
ある意味で、勇気がいることです。
決して、自己満足のためではありません。
納得して、
前へ進むための検査であると、
私は考えています。
ブログNo.167と、No.32も参考にしてください。
平成25年9月28日、(土曜日)に、
名古屋駅近くのミッドランドスクエアーにて、
第6回、青クリの会を開催しました。
「 不育症と着床障害の克服には、
心身両面からの検査と治療が
いかに有効であるのか 」
実際、治療を受けていただいた
多くの方の口コミのおかげですが、
さらに強い関心を持っていただいています。
そのためか、
「青クリの会」の出席予約開始から、
約3週間で
予定の約40名になってしまい、
早々に予約終了させていただきました。
それ以降の多くのお問い合わせをいただいた方には、
誠に、申し訳ありませんでした。
講演内容については、
基本的な子宮内環境の説明と、
心身両面からのアプローチの必要性を
お話しさせていただきました。
青クリサロンでは、
私の個別相談と、
ストレス度測定の唾液アミラーゼ検査と、
ストレス発散の方法としての「ヨガ」教室を、
希望の方に行いました。
出席された方が
心に響くものを
何か、
感じ取っていただけたならば、
当院スタッフ一同の大きな喜びです。
次回の「第7回、青クリの会」は、
平成26年1月18日(土曜日)に、
今回と同じ場所で行います。
予約開始は12月を予定しています。
何かご感想、ご要望、また、ご批判等があれば、
ぜひ、お聞かせください。
お待ちしています。
流産、死産したショックで、
すべてが真っ白になっている人へ。
生きていること自体が苦しい人へ。
立ち直ることができず、
「 お腹の中にいた子に迎えに来てほしい 」
と、願っているような人へ。
まずは、
今、
亡くなった赤ちゃんを十分に、
供養してあげてください。
男の子だったら、どんな名前にしましたか?
女の子だったら、どんなでしたか?
心から
心から
思ってあげることが 供養になりますよ。
そして、
何とか、
少しづつ、
日々の日常を取り戻していってください。
そうすると、
きっと、
亡くなった赤ちゃんが、
あなたの背中を押してくれますよ。
「 自分の命を引き継ぐ
元気な赤ちゃんを
生んでほしいと。 」
あなたには、
これから、
まだ、
まだ、
がんばれる時間があるのですから。
流産手術の麻酔状態のなか、
意識がないのに、
心の深いところからの声
が
聞こえてくる
ことがあります。
「 ごめんね、ごめんね 」
と。
赤ちゃんが来てくれたのに、
育ててあげられなくて・・・
旦那さんに、両親に、
抱かせてあげられなくて・・・
でも、でも、
あなたは 精一杯
がんばったのですから、
がんばっているのですから、
赤ちゃんは絶対、あなたを応援していてくれますよ。
天国で
いつもあなたを見守っていてくれますよ。
生命誕生の始まりの期間を、
日々、
診させていただいています。
いつも、
すべての命が育ってくれるように、
祈らずにはいられません。
しかし、
現実の臨床現場では、
死と直面すること
が、
稀ではないのです。
生命が誕生するということは
奇跡のようなものだ
と、実感しています。
なぜなら、
卵(精子と卵子が出会ってできた受精卵)には、
避けることのできない
卵の質(運命的な染色体異常)の問題もあり、
また、
母体から見て
半分は異物であるという問題もあるのですから。
ここで、
ある患者さんからのメールの一部をご紹介させてください。
「 息子をお腹に授かり、
半年で息子は短い生涯を終え
お空にかえっていきました。
命とこんなにも真剣に向きあったことはありません。
そしてこれからも向き合い続けるんだろうと。
『ママは、あなたと過ごした日々が何より大切で幸せでした。』
あたりまえのことなんて何ひとつないんだと、
気づかせてくれました。
今ある幸せ、旦那さん、父、母、周りの人達に感謝して
私は少しずつでも
前に進めたらって思います。 」
心から応援しています。
そもそも「妊娠した」って、
どういう状態のことでしょうか。
生物学的には、
体内で、精子と卵子が出会って、
受精卵ができたら、妊娠なのです。
ところが、
ヒトに限っては、
体外受精・胚移植が行われていますから、
受精卵ができたらでは、ちょっと混乱します。
そこで、
医学会の決まりとして、
「その受精卵が子宮内膜内へ着床したら、妊娠した」
と、いうことにしたのです。
自然妊娠においては、
排卵した卵子が、
その日に、
卵管で、精子と出会い(受精卵ができる)、
出会ってから約6日目に、
受精卵(胚盤胞)が、
子宮内膜内へ侵入開始(着床開始)し、
出会ってから約11日目(予定生理の約4日前)に、
完全に埋没(着床完了)します。
埋没した胎盤になる細胞から出るホルモン(HCG)を、
妊娠検査薬で測定しているのです。
ですから、
感度が良ければ、
予定生理日の2~3日前に、
妊娠検査薬で、
HCGというホルモンが測定可能なのです。
尿中のHCGが、25単位以上あれば、
陽性と判断されるのです。
陽性ならば、
着床完了した状態と考えられますので、
ほぼ妊娠した
と、考えられるのです。
最近の日本の妊娠検査薬は、
高感度で、ほぼ正確です。
朝の一番尿で、
予定生理日の2~3日前から、
あるいは、
基礎体温が高くなってから11日目過ぎぐらいから、
あるいは、
胚盤胞移植日から6日目過ぎぐらいから、
妊娠していれば、陽性となります。
薄くて判断できないとき、
2日後に再検査して陽性ならば、
ほぼ妊娠です。
ただ、
それから1週間以内に、
生理様出血とともに、
陰性化してしまう例が多いのです。
この場合、
「妊娠したの?」
「妊娠ではなかったの?」
と、
多くの方が迷われているようです。
その答えは、
医学的に考えて、
やっぱり、
ほぼ妊娠なのです。
生化学的妊娠(biochemical pregnancy)、
あるいは、
生化学的流産(preclinical spontaneous abortion)
と、最近では、言われています。
生化学的妊娠は、妊娠なのです。
生化学的流産は、ごく初期の流産なのです。
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