盛り上がり欠くEV?
Aug
29
トヨタ自動車、日産自動車、ホンダ、三菱自動車の4社が電気自動車(EV)、プラグインハイブリッド(PHV)の充電スタンドの普及を共同で進めることが先月末に決まった。経済産業省が普及の後押しとして、2012年度の補正予算で1005億円の補助金を計上したことに応え、自動車業界を挙げてインフラ整備の拡充に乗り出すためだ。ただ、肝心のEV、PHVの販売の盛り上がりは今ひとつ。燃料電池車を次世代の“本命”とみるトヨタとホンダは、EV普及について懐疑的な見方を崩しておらず、ホンダにいたっては日本では一般販売すら始めていない。両社とも経産省の要望で重い腰をようやく上げた格好で、普及に意欲を見せる日産、三菱自と温度差があるのが実情だ。
というニュースがある。
経産省は電気自動車(EV)の普及をしたいようだが、トヨタとホンダは燃料電池車(水素を反応させ発電させ)を本命と考えているという事なのだ。
これには恐らくからくりがある。
前回レポートした通り、EVは単純明快な未来である。
充電施設が普及していなければ不安という声もあるが、テスラ モデルSのように航続距離が500kmもあれば、まず心配には及ばないだろう。
http://jp.bloguru.com/furyou/180472/2013-07-28
ではなぜ、燃料電池なのか?
1台の自動車には、3万点の部品が組み込まれる。
ガソリンエンジン車には、エンジン本体だけでなく、燃料系、吸気系、排気系、冷却系、変速機など、様々な系統が小さな部品によって組み立てられているのだ。
しかし、EVでは上記系統の全ては、モーターとバッテリーに置き換える事ができる。
単純で明解。
これ以上のシステムは存在し得ない。
しかし、下請け業者が連なる自動車業界としては、そういうわけにはいかない。
そこで、システムを少しでも複雑にしようと、燃料電池を利用する考えが生まれてくる。
燃料電池車は、EVに水素燃料系、反応系(燃料電池本体)、排水系などを付加したシステムとなるからだ。
また、これは石油会社中心のエネルギー供給側にとってもおいしい話だ。
EVは家庭で充電できてしまうが、燃料電池であれば既存のガソリンスタンドを水素ステーションに置き換える事ができる。
天然ガスが日本近海にあるのなら、燃料電池の基礎技術の研究は大いに結構!
ただし、シンプルに勝る工業製品は無い。
テスラに乗れば、現在はEVが最優秀だと納得できるだろう。
日本はEVに舵を切らねば、海外がもっと優秀なEVを仕掛けてくる。
それとも、EVでの敗北を既に認めたのか?
先に述べたように、燃料電池車の技術は、EVの上に成り立つ。
EVで勝たねば燃料電池車の勝利は無いと、僕は考えるのだが。