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posted 2016-12-22 21:13
詩は元気です ☆ 齋藤純二
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齋藤純二
見えていないモノの方が多いのに 見えたモノの方が真実ように 間違ってしまうのだろう 僕らの想像を広げるために たぶん目は存在しているのだろう 見ることより見ようとする その生きた目を持たなければならない 目で見えないモノのを見ることが 僕らのほんとうの目であって 空の青の向こう 夕日の紅の向こう こ...
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posted 2016-12-21 04:18
詩は元気です ☆ 齋藤純二
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齋藤純二
身体の中に花火があがる 足の土踏まずあたりから火をつけられ 神経に沿って首あたりまで キョーンㅤキョーンㅤキョーン そんな感じで一日に何十回もあがる 初めて精通した時のように 電気が走って行く特異体質になっている 神経っていうのは伝達が得意で 潰れた頚椎から 悪ふざけの信号をどんどん送る その花火は...
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posted 2016-12-19 01:57
詩は元気です ☆ 齋藤純二
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齋藤純二
鍋に 季節感を入れ 風景を入れ 心情を入れ ああだの こうだの ああだの こうだの ぐずぐず 鍋が煮詰まって ああだの こうだの 味見すると なにか足らない 詫びか 寂か それとも 情熱か ああだの こうだの 煮詰まって 煮詰まって 煮詰まっ……...
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posted 2016-12-18 13:34
詩は元気です ☆ 齋藤純二
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齋藤純二
また陽は昇るのだろう 朝に僕は目覚めるのだろう 世の中には様々なひとがいて 今年が最後の冬なのだろう そう思って朝を待ちながら 刹那の向こう側に何を見るのだろう 生命はみんなに平等なのだろうか 断つことは平等でも ランダムに必然は振り分けられ 生まれてすぐに…… そんな運命もあり 百歳をこえて眠るよ...
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posted 2016-12-17 23:55
詩は元気です ☆ 齋藤純二
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齋藤純二
ひとり暮らしをして 恋をして 結婚をして 子どもができて 賑やかになって 子どもが出て行って 妻が旅立って こんなに私の取り巻く 環境が変わっても 再びひとり暮らしをして 何も変わらない 気がつけば寂しい私 どうしようもない私...
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posted 2016-12-17 00:23
詩は元気です ☆ 齋藤純二
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齋藤純二
冬の中間に佇み 誰のものでもない空を見上げ ポケットに手を突っ込み 持っていないナイフを探し お守りの落とした場所を考える 不安の隙に君の手が添えられた か弱きナイフ それでもグイグイ 胸の中を刺しては隣で微笑む 恋は愛を求め始め 希望が細く潰れてゆくと 僕は君のナイフを受け入れ 痛みを涙に変えた ...
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posted 2016-12-15 17:18
詩は元気です ☆ 齋藤純二
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齋藤純二
初恋 まだあげ初(そ)めし前髪(まへがみ)の 林檎(りんご)のもとに見えしとき 前にさしたる花櫛(はなぐし)の 花ある君と思ひけり やさしく白き手をのべて 林檎をわれにあたへしは 薄紅(うすくれなゐ)の秋の実(み)に 人こひ初(そ)めしはじめなり わがこゝろなきためいきの その髪の毛にかゝるとき た...
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posted 2016-12-15 16:40
詩は元気です ☆ 齋藤純二
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齋藤純二
「がんばれ!」と言ったら 「がんばっているんだから プレッシャーをかけるなよ!」 と言われ 「がんばれ!」と言ったら 「ウザいなあ がんばりたくないっつーの」 と言われ 応援の言葉は どこへ行こうとしているのか...
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posted 2016-12-15 02:59
詩は元気です ☆ 齋藤純二
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齋藤純二
「これはお父さんから」 母は茶封筒を兄と私に渡そうとした 「お父さんを想い出すような物を買いなさい」 父の形見となるような物がなかったからだろうか 兄は 「そんなお金はいらないよ、母さんのために使えばいい」 受け取ることはなかった 私は 「何十年ぶりのお小遣いだろう、腕時計を買うから貰うよ」 やはり...
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posted 2016-12-14 06:02
詩は元気です ☆ 齋藤純二
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齋藤純二
弾む鍵盤 繋がる音符の重なり 左の巨人から 右へ逃げてゆく小人 一度ずつ握り潰す ハイハットの上を弾き 貧乏揺すりを促しながら 拳銃が鳴り響く 意図的に外すリズム 離れるようで近づくセンサー 沈黙は素敵な間の音 不安にさせるエンターテイメント 落胆の隙を突くねじ込む和音 霹靂の金属音 ビルディングが...