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posted 2016-09-29 15:13
詩は元気です ☆ 齋藤純二
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齋藤純二
ぼくは 変だ 遊ぶやくそくは 覚えているが 学校の宿題は 十分くらいで わすれてしまう ぼくは 変だ 遊ぶ持ち物は 覚えているが 学校の持ち物は 五分くらいで わすれてしまう ぼくは 変だ 連絡帳に書いたものも 一分ぐらいで わすれてしまう ぼくは へんだ だから 学校を勉強するところと わすれない...
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posted 2016-09-29 14:54
詩は元気です ☆ 齋藤純二
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齋藤純二
何故にそんなに紅い秋 雲も、家並みも、人々も 染まりたいから 染まっている おなかの中にいた頃の 母親に包まれているように 紅く染っては…… やさしい紅よ やわらかな気持ちになり やさしい紅よ むかし、むかしを語り始め やさしい紅よ ほんとうの僕を思い出させて...
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posted 2016-09-29 08:16
詩は元気です ☆ 齋藤純二
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齋藤純二
小さな風をおこし 君は走りぬけてゆく その無邪気な微笑みと まっすぐな瞳を忘れないで 自由な翼が折れて飛べなくなっても 君の澄んだ想像力さえあれば 目的地にたどり着くからだいじょうぶ 君は素晴らしい 微笑みの持ち主だから 君はやさしい こころの持ち主だから どうか その瞳の輝きを忘れないで...
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posted 2016-09-28 19:38
詩は元気です ☆ 齋藤純二
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齋藤純二
枯れ葉が舞って 秋のパァッカ、パァッカ プルッ、プルッ プルップ、プルッ 大げさな句読点の鼻 ふくらませては得意げだ 潤んだ瞳に誘われ たてがみあたりを叩いてやった 彼は喜んでいるのか プルップ、プルッ たぶん そういうことだと思う 憧れへ進み続ける走りは 風景にしっくりと染まりながら 秋を心地よく...
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posted 2016-09-27 20:03
詩は元気です ☆ 齋藤純二
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齋藤純二
えっ 生命の誕生が地球からでなく 彗星からだって 宇宙の博士さん 今日の講義もぶっ飛んでいるなあ 俺たちの祖先は海からだと思っていたけど どうもそれは違うという理論が有力らしいよ それがさあ 時速60,000キロで太陽系の果てから 飛んでくる彗星に俺たちの起源があるらしいよ もう なんてこと言ってい...
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posted 2016-09-27 07:09
詩は元気です ☆ 齋藤純二
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齋藤純二
風に吹かれ よく詩に出てくるフレーズ 同じ言葉を綴ってもひとそれぞれの 風への趣きには違いがあり 感受性にも違いがある 風の中へ 僕がやさしく手をさしのべ エスコートをしているだろうか 風に魅力があり 退屈をさせてはいないだろうか 風には哀愁があり 独自の世界を創っているだろうか その風の中で 君の...
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posted 2016-09-27 05:25
詩は元気です ☆ 齋藤純二
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齋藤純二
タンㅤタン タン タンㅤタンㅤタン 水指に萩の緑が艶る 柄杓の背で水面を掃き 清らかな水を釜へ垂らせば 一掃した日常を 色づけてゆく雨の音 シャッㅤシャッㅤシャッ シャッㅤシャッㅤシャッ 茶筅通しは ゆっくりと ゆっくりと 水に馴染む音 侘び寂びの扉は開かれる 炭から奏でる練香の 昔々に遡る喜び 床...
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posted 2016-09-27 05:09
詩は元気です ☆ 齋藤純二
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齋藤純二
今夜は揺れるなあ 東京タワーのてっぺん いつもながら座り心地が悪い 今夜も座布団を忘れる 上弦の月は 俯瞰する景色をほんのり淀ませる 何が楽しくて 光になってあっち行って こっち行って 迂回しているのさ そんな狭いところで 何が見えるというのかい ストレートネックは 君たちの進化なのかい 下ばっかり...
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posted 2016-09-27 05:06
詩は元気です ☆ 齋藤純二
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齋藤純二
立ち竦む私 顎から 指先から 垂れる滴はやがて繋がる カラダが漏斗になり その垂直な流れは水溜りをなす 表面張力を超えて無意味に拡がる 流れ着く果ては 水かさが一向に増えぬ海への虚しさ 止まぬ雨の中 私の絶望と真逆に向かう母が行く 雨粒が曲げた腰を打つ 其処には惨めさなど無い 母の行き先は明確 足を...
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posted 2016-09-27 04:58
詩は元気です ☆ 齋藤純二
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齋藤純二
邪念ㅤ邪念 ㅤ邪念 邪念を渡る橋はなく 立ち止っては孤立無援(こりつむえん) ならば 此処に坐り 消せぬ己の鬼 対峙の恐れに臨(のぞ)めば ありのままの己に習う 己を観ずにひとは観えず 舞うひとを観て己は観えず 己を観入ってひとを観る ただ 此処に坐り 己の仏を掌(てのひら)に 命脈を保ち心身脱落 ...