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posted 2016-09-27 04:58
詩は元気です ☆ 齋藤純二
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齋藤純二
邪念ㅤ邪念 ㅤ邪念 邪念を渡る橋はなく 立ち止っては孤立無援(こりつむえん) ならば 此処に坐り 消せぬ己の鬼 対峙の恐れに臨(のぞ)めば ありのままの己に習う 己を観ずにひとは観えず 舞うひとを観て己は観えず 己を観入ってひとを観る ただ 此処に坐り 己の仏を掌(てのひら)に 命脈を保ち心身脱落 ...
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posted 2016-09-27 01:32
詩は元気です ☆ 齋藤純二
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齋藤純二
とても明るい いつもの朝だというのに あれっ、家族がみんな起きている んっ、こりゃ寝坊か 目覚ましのアラームが鳴る前に 起きるようになり数年が経っていた 時間をセットしない日もちらほろ 油断の隙に躓いてしまった いやいや、それでも遅刻はしない いつも職場にはかなり早く着いている 寝坊を一時間しても大...
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posted 2016-09-26 07:30
詩は元気です ☆ 齋藤純二
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齋藤純二
人が見る背景を消し 俗世界を脱け出す 言葉を捨て 暮らしを捨て 葷酒(くんしゅ)山門に入るを許さず 煤けた馴れ合いの衣を剥ぎ取り 裸の表現者に微塵の躊躇はなし 芸術の道具など要らない 言葉以前の世界で叫びの匂いを感じ 赤子になった全身からは唸りだけが発する 空間の揺さぶる振動は魂を燃やし 塵灰(じん...
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posted 2016-09-25 14:45
詩は元気です ☆ 齋藤純二
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齋藤純二
木製の床に油 その存在感のある匂いは 黒く、てかてかしていた おじさんは あたり前のようにタバコを吸い シートはぽこぽこと 焦げえた穴がちらほら 風天の寅さんみたいな 酔っぱらいが叫んで こっちに来るなよ こっちに来るなよ 子どもの私は祈った 扇風機のある車両だと 首振りに合わせて 円を描いては く...
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posted 2016-09-25 03:07
詩は元気です ☆ 齋藤純二
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齋藤純二
Just a 13. Just a 14. Just a 15. Just a 16. Just a 17. Just a 18. Just a 19. Just a 20. Just a 21. Just a 22. Just a 24. Just a 25. Just a 26. Just a 27. Just a 28. Just a 29. Just a 30. Just a 31. Just a 32. Just a 33. Just a 34. Just a 35. Just a 35. Just a 36. Just a 37. Just a 38. Just a 39. Just a 40. Just a 41. Just ...
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posted 2016-09-25 02:22
詩は元気です ☆ 齋藤純二
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齋藤純二
休み時間 ナイロン弦は張り巡り コロン、トロン、ポロン 教室に逃げるツワモノ集まって 先生は 校庭に埋まるサンダル探している 教壇からハートの涙 代わりにピエロが配って 拍手、拍手、拍手の竜巻 覗きに来た二丁目のゴンさん 潜り出す やったねゴンさん 脱出成功うれしいね では また明日会いましょう そ...
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posted 2016-09-24 01:54
詩は元気です ☆ 齋藤純二
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齋藤純二
ちょっと そちらのお兄さん どうでもいいやを 落としましたよ なんだよ わざわざ拾ってんじゃねえよ どうでもいいから 捨てたんだよ たくっ 面倒なおっさん まあ そう言わずに おいおい 勝手にポケットへ戻すなよ だからさぁ あっ どうでもいいや以外に なにか入れやがったぁ あれっ のですね とりあえ...
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posted 2016-09-23 08:44
詩は元気です ☆ 齋藤純二
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齋藤純二
世界が僕らを知らなくても 神様は見てくれているね こんな清々しい日々を 与えてくださるのだから 疲れ果て倒れ込んでも 明日の夢を見ようと 手を繋ぎ転がっていたね 陽だまりの幸せ 君に伝える言葉が見あたらず 美しい花を探しに街へ 「なにかのお祝いですか」 花屋のお姉さんは微笑んで 「なにもないですけど...
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posted 2016-09-23 05:19
詩は元気です ☆ 齋藤純二
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齋藤純二
どうか 僕を生かしてください 詩を書いていたいのです どうか この傷ついた頚椎 これ以上に神経を刺激しないで 今日も手が痺れては いつまで指が使えるのだろう なんて考えてしまう 手が使いものにならなくなったら 足を使えばいいじゃないか しかし 最近は足の痺れも増している 足も使いものにならなくなった...
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posted 2016-09-23 04:58
詩は元気です ☆ 齋藤純二
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齋藤純二
感動を与えない詩ばかり 書き続けて三十六年 特にひとに読まれることもなく 吐き出さずにいられなかった言葉たち 詩の掲示板をきっかけにして 読者を気に掛けての詩作 詩を読んで感動したこともないのだから 私が詩を書いて感動を与えられるわけもない 感動を与えることができないのは 私の人間としての中核が歪ん...