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posted 2019-01-06 21:04
詩は元気です ☆ 齋藤純二
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齋藤純二
ぼくが歩くと 「むねをはりなさい」 おとなにいわれた 空を見て歩くと 「地を見て歩きなさい」 おとなにいわれた 下を見て歩くと 「まえを見て歩きなさい」 おとなにいわれた ないて歩くと 「なくんじゃない」 おとなにいわれた おとなはだれも 「どうしたんだい」 と聞いてくれない (再掲、ちょっと推敲)...
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posted 2019-01-05 19:22
詩は元気です ☆ 齋藤純二
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齋藤純二
喫茶店でケーキセットを頼んだ ケーキが食べ終わる頃に ビニールの小さな破片が入っていた あの〜 これが入ってました 替えは要らないので大丈夫ですよ お知らせしただけ たいへん失礼しました とコーヒーのお代も取らなかった なんだろう この申し訳ないケーキの後味は……...
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posted 2019-01-04 23:28
詩は元気です ☆ 齋藤純二
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齋藤純二
アウトっ 嘘だろピッチャーの手から ボールが離れてから走塁したぜ 町内のソフトボール 守備の選手は俺に微笑みを見せた ここで審判は絶対だ ひとが間違えることも 自分が間違えることもある しかし真実を閉じ込めてはいけない おいっ どこに目をつけているんだよ 退場っ...
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posted 2019-01-03 13:28
詩は元気です ☆ 齋藤純二
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齋藤純二
駅へ向かう 重たくなった身体に 容赦のない冷たい洗礼を浴び 現実に包まれ 日がまだ昇らぬどんよりの中 電車に揺られては 何か希望を探している 年末に作った仕事用のスケジュール帳 カバンに入っていることを想い出し 去年の準備に今年の日が昇った...
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posted 2019-01-03 00:28
詩は元気です ☆ 齋藤純二
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齋藤純二
難解な詩があって。私には解らない詩があって。何処かの誰かには解っている詩があって。いろんな詩人の考えがあって。それは自由であって。満足している詩人たちがいて、満足できない私がいて。小さな世界で盛り上がっている詩があって。ちっとも解らないと見向きもされない詩もあって。詩がどんどん我儘に思えてしまう私が...
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posted 2019-01-01 19:57
詩は元気です ☆ 齋藤純二
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齋藤純二
頑張ろうと思った瞬間 楽しみが苦痛に変わってしまう 進む方向ではない 表現しきれない努力 入り込む集中力からの エネルギーが必要なのだろう 自分と言葉に向き合い 吐き出し切った完成を味わう もちろん納得の一作は 都会で流れ星を見るほどの出来事 しかし過程が輝くほどの充実に 向かう方向を導く まだ自分...
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posted 2019-01-01 06:36
詩は元気です ☆ 齋藤純二
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齋藤純二
「まだ一月一日が一時間残っていて 僕は悲しみに浸る歌を聴く 負の癒しがとっても大事なんだ この気持ちはわかってもらえないが ミスだなんて思わないんだ センチメンタルとも違うんだ どちらかと言えばチャーミングな感じ」 涙の流れる歓びがちょっぴり辛くって 子どもでもなく大人でもなく 共通しているところは...
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posted 2018-12-31 20:36
詩は元気です ☆ 齋藤純二
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齋藤純二
ずいぶんと元日の日は高くなった 家族はアウトレットで買い物 私は寒空の下 ビニールハウスのような休憩所で ストーブにあたり 背中からは暖かな陽射しを浴びている 今年初のエネルギーをいただき 濃いココアをちびりちびり飲んで こどもを抱っこしたり遊ばせたり そんな必要も無くなって 二時に集合なっ、で自由...
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posted 2018-12-28 19:53
詩は元気です ☆ 齋藤純二
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齋藤純二
トンネルを抜けると そこは君のやわらかな手だった 僕は一生けんめいに山をつくり くずれやすい砂にトンネルを掘った ただ好きな女の子に「すごい」と 思ってほしいために おっちょこちょいの僕が 失敗しないように丁寧にやっている できた トンネルに手を入れると……...
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posted 2018-12-27 19:10
詩は元気です ☆ 齋藤純二
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齋藤純二
疲労と寒さで硬くなった足が 電車のシートから温められ 今日の姑息を、一年の姑息を 意味があるようかのように流れ始め 電車の一部となり労わりながら進んで行く 積み重ねられた日々の丘から 来年は天命を知り納めることのできる 根源を眺められる...