涸沢岳を空身で往復して、
まだ夕食までは時間がある。小屋の中にザックを運び込んで、
フリースペースの椅子に座り込む。
このスペースは真ん中にストーブが置かれていて、
回りの壁に椅子が並べられている。
なかなかすわり心地が良い。小屋に備え付けの写真集、小説、エッセイ集などなど・・・。
山の関する読み物が自由に手に取ることが出来る。
コーヒーを片手にボケッとしていることも出来る。
今日の登りを振り返りつつ、
ゆったりと時間が流れる。
最高に贅沢な至福の時間だ。置くには談話室も有り、
山の話でなかなかにぎやかな会話が聞こえてくる。
この山荘はさすがに北アルプスの盟主、
奥穂高の頂上直下にあり、
奥穂高岳を目指す登山者が、
いろいろなルートから一気に集まってくる。
小屋の規模もかなりのものだ。激しい呼吸で登っている時間の刻みとはまったく対照的な、
少々間延びしたような、
この時間の流れは、
普段の生活ではまったく感じることが出来ない感覚だ。6時少し前に食事の時間となる。
おっくうに体を動かして食堂に行く。
おかずは山小屋とは思えないくらい品数があり、
味付けもおいしい!!
ご飯のお代わりも自由で、
もちろんお代わりをする。
この食事で何を一番感じたか・・・、
一番感じたのは、味噌汁が異常においしく感じられた。
普段の生活では感じたことがないおいしさだ。
今日の登りで大汗をかき、
塩分も相当出てしまったのが原因だと思う・・・。
なんだか味覚が変わってしまったような感覚だった。
三杯もお代わりしてしまった・・・。食事が済むともう少し明るい外を歩いたり、
夕暮れを写真に撮ったりして、
今日の寝床に横になる。
穂高岳山荘といえども、
寝床はいきなり山小屋そのもので、かいこ棚。
この二階となると相当天井が近い。
かなり混雑しているために、
布団も隙間なく敷き詰められている。
ここでとにかく睡眠をとらなければならない。山小屋で寝るということは、
即いびきとの戦いになる。
これはもう壮絶で、
いびきの大合唱が始まる前に眠れるかどうかが、
その夜の睡眠を、
どのくらい快適に取れるかどうかの勝敗を分けることになる。
いびきの大合唱が始まってからでは快適な睡眠は難しい・・・。
翌日は寝不足のまま山登りだ・・・。
これはかなりつらい行動となる。最後の写真の「奥穂高岳」の垂直の岸壁を登るには、
ちょいとつらいかも・・・((+_+))。
しかもご来光を目指して暗いうちに出発となればなおさらだ!!
とにかくいち早く眠り込むのみだ・・・。
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