PoEでのLANケーブルの電力ロス(24AWG)

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専用の治具を作成して測定する 専用の治具を作成して測定する
精密抵抗計での測定(4端子法) 精密抵抗計での測定(4端子法)
PoEはDC電力を通常のLANケーブルに従来の伝送信号に重畳して送る方法。
元来LANケーブルは信号伝送のみで、電力伝送は考慮されていないため、
どうしても電力ロスが発生する。PoEはその性質上、商用電源が取りにくい
箇所での機器設置を目的で開発されているため、伝送回路長が長い。

今回は一般的なCat5e(24AWG)を50m使用しての電力ロスを理論値として
算出し、伝送回路設計の基礎データとして公表する。
※24AWG50mの20℃における抵抗値は1mで0.0842Ωであるが、実際に
測定すると50mで約5Ωとなる、1mでは0.1Ω換算とする

Type2(IEEE802.3at)ではPSEの出力は30w、これでPD側に供給すると
0.6Aの電流となる(PoEの供給電圧はDC50Vと仮定、力率は100%と仮定)
この状態でのPSEから見た仮想負荷抵抗は83Ωとなる、この値には線路抵抗
は当然含まれる。実際の負荷を固定として、線路長を長くすれば、仮想負荷
が変わらないので、実際の負荷で使用出来る電力は低下する、これは実際の
負荷が減少し、負荷抵抗値が増大して電流が減少する場合とは異なるので要注意。
※仮想負荷抵抗は供給可能最大電力とPoE規定電圧から算出している。
これが最小負荷抵抗値であり、実負荷が変動すれば当然電流値が変化
する、電流減少ならば電力値に余裕が生ずるが、電流の増加は供給可能
電力を上回れば、電圧の低下となりPoE動作が不安定となる。

0.6Aの電流値での50mでの電力ロスは1.8wとなる
これによりType2では、10mで0.36wのロスと暫定する
※50mでの1線路(1本)の抵抗値は5Ω、これが往復で必要なため
実際には10Ωとなるが、PoEでは2線路を1回路として使用するため
実際の抵抗値は5Ωとなる、このあたりが紛らわしいので要注意

これにより最大30w出力のPSEは線路で1.8wを失っている事に
なる、この値を参考にすれば、線路長の可否が判定出来る。

Type4(IEEE802.3bt)ではPSEに出力は100W、だだし、これは50w+50w
の二組での伝送方式であり、1組での回路電流はType2と同じ方法で算出
すると1Aとなり、仮想負荷抵抗は50Ωとなる。
1Aの電流値での50mでの電力ロスは5w。
これによりType4では、10mで1wのロスとなるが二組あるので実質
2wのロスとなる


Type2とType4では電力量は3倍であるが、電圧は同じで電流量を増やしての
電力伝送であるため、どうしても線路抵抗が大きく影響する。
Type4での長距離は23AWG を使用すべきであろう。

次回は23AWGでの結果をアップする

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