再構築されたもので、当時のままではない。
以前から、この永々遠流(えいえいおんる)には関心があり、それなりに調べては
いたが、ここに来て、やはりそうかと思った。
絵島の罪状は帰城に遅参が理由だが、当日はお咎めもなく、半月以上経ってからの
審議である。
この時の死罪になったのは、絵島の義兄他。
死罪に該当するなら、当の本人であるはずが、義兄が責を負うのは異常。
ここで、調べると義兄は様々な「前科」があるのだが、絵島の権力を盾に
やりたい放題であった。絵島は養女、それも二家も経由している。
これは相応の美貌があり才女であった証左で、彼女を大奥に入れる事での
権力画策があったに違いない。
これを利したのが義兄だが、この罪はさほどではなく、彼女のバックにいる
月光院との権力闘争が主因のようだ。
この見せしめに、罪を並べ立て、義兄は打首(武士なのに切腹ではない)など、罪人
累々の処分である。
当の本人が遠島なら、八丈島あたりのはずだが、そこは大奥の重鎮、そうもいかず
高遠に遠流と思いがちだが、そこにはしたたかな公儀の計算が見て取れる。
この幽閉屋敷、高遠城から至近距離、いやでも人目にとまる。
ここに長年幽閉すれば、全国に知れ渡り、遠島では忘れ去られてしまうのが、かなり
長期間の「宣伝効果」が期待できる、つまりルール違反は、奥女中といえども例外は
無く、このような処分があるとの周知徹底となった。
迷惑なのは高遠藩で、屋敷を作り、管理の人員を用意するなど、かなりの出費を
強いられた事であろう。当時のルールで、お上からの援助は無いと思われ、藩には
迷惑千万であったと思う。
以上、ここに来て感じた事を記す・・・・・
わかお かずまさ
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