「今ここ」を生きるために腕時計を外そう
Nov
1
マインドフルネスの重要性が至る所で言われている一方で、私たちはいつもタスクや管理に追われて、まだ来ていない未来に悩まされていたり、もう過ぎてしまった過去に囚われていたりします。
私も常に明日の夕飯とか、1週間後の講座や半年先のプロジェクトについて考えていたかと思えば、やっぱりあの時こうしておいた方が良かったかもと過去についてしばらくクヨクヨすることが日常茶飯事で起こります。
現代に生きる私たちは特に意識しないと「今ここ」を生きられないようになっています。
●効率化と時間管理のワナ●
情報が溢れ、さまざまなガジェットが登場し、使いこなすことで年々驚くほどのスピード感と効率化の世の中になってきました。本当なら、やるべきことが短時間で終わり、余暇が楽しめるはずと思っていたものが、なぜかより多くのやるべきタスクに追われているように感じるのは私だけではないと思います。
便利になればなるだけ、効率化が進めば進むだけ、私たちは貪欲になってもっとこんなこともできるはずだ、もっと上手くできるはずだと、1日24時間をどう使うかに頭を悩ませています。
正しさと効率
正しさと効率の両立が難しいことが多々あります。正しさの定義をするとまた別にブログが書けそうなので、一旦正しさを辞書的に「道徳・法律・道理にかなっている/基準に合っていて乱れない」とすると、正しさを追求していくと効率が悪いということが多々起こるのです。
そして効率を重視したものは、仕事であれ、芸術であれ、100均で売っている商品のように便利で必要最低限は満たしているけれど、心を打つことがありません。
時ではなく時間を生きている
海外のことわざのような言葉で「神は時をつくり、悪魔は時間をつくった」というのをごぞんじでしょうか。効率化や時間管理を考える時、私たちはまさに時を生きているのではなく、時計に支配された時間というモノサシの中でタスクをいかにこなしていくかという回し車の中のハムスターのように生きてしまっているのです。
「今ここ」を味わうために没頭する
自分の役割やタスクが与えられている中で常に「今ここ」を生きることは難しいのが現状です。だからこそ私たちは敢えて「今ここ」を生きることを決めて生きる瞬間をつくらなければ、生きている意味や人生の価値を見失ってしまうようになってきました。
マインドフルネスが流行して、自分と向き合う時間をとる人が増えてきた一方で、マインドフルネスをせねば、「今ここ」を生きねば、というタスクになってしまっていませんか。
わざわざマインドフルネスの時間をとることが「今ここ」を味わうために最善の方法だという方はそれでよいと思いますが、もっと簡単に「今ここ」を味わうことだってできるはずです。
新しいことやちょっとしたチャレンジ、好きなことをするとき、私たちは熱中したり没頭します。その熱中や没頭の瞬間、過去からも未来からも切り離されて「今ここ」に存在することができます。
昨今、IKIGAIや没頭活動が注目されているのも、「今ここ」を味わうことができるからなのでしょう。
没頭したら時間を忘れてしまって、次の予定に響くという方は、ぜひタイマーなどを使ってそれがなるまでは没頭するということを味わってください。
私たちはすでに悪魔が作った時間の中を生きてしまっているので、ずっと時を味わい続けることは難しいですが、時計というツールにサポートしてもらって時を味わうことは可能なのです。
●まとめ●
人生の目的というと壮大に聴こえるかもしれませんが、私たちはついつい目の前のことに囚われてしまって、「何のために生きているか」という目的を見失いやすくなっています。
多くの人は自分の幸せのために生きているはずなのに、何かを達成することばかりに気を取られています。
改めて自分の人生の目的や幸せについて考えるその瞬間、好きなものに集中したり没頭している瞬間、きっと私たちは「今ここ」を味わうことができているのだと感じます。
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