復刻版 ストラップのこと
Oct
17
これは2004年9月18日のブログを見直したものです。
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今日は、ストラップのいろいろなお話をしたいと思います。
● ストラップで音質に影響するって本当?
これ、意外に知られていないと思いますが ”本当” です!
なぜかといいますと、サックスを下げるわけですから、その重みの一部がストラップをかけた首にかかります。
そうすると、首に掛けているストラップが、喉を絞めちゃうんですね。
喉が締ると、息が出てくる気道が圧迫されて細くなります。
折角、喉を開けるように吹いているのに、ストラップによって喉の開きが狭められてしまうんです。
その結果、もっとよい音が出るのに、ストラップが邪魔をしてしまうんですね。
だから音質に影響するんです。
● ストラップの種類は?
大きく分けると、首から掛けるタイプと肩に掛けるショルダータイプのものがあります。
作っているメーカーも、BG、デジャックス、オレグ、レイハイマン(セルマー)、ウッドストーン(石森管楽器製)、プラネットオエーウ、ブランチャー、ネオテック、ヘリン、レーベン、ASもちろんヤマハ、ヤナギサワなど、たくさんのものがあります。
首に掛ける部分も、革製で厚手のものだったり、巾があったり、スポンジでできていたりして、たくさんの種類があります。
他にも、ストラップに棒を付けて、首に負担がかからないようにストラップを広げるものもあります。
フックの部分も、引っかける部分が長いものやロック式になってるものなど、落下防止に工夫しているものもあります。
● お勧めストラップは?
幅広のものがよいと思いますが、首に負担をかけなくて、喉を絞めないタイプを、好みで選ぶとよいと思います。
各メーカーとも工夫したものを作っていますので、インターネットで検索してみてください。
キーワードは、”ストラップ サックス”です。
ストラップが痛いと感じたら、応急処置として楽器を磨く布やタオル・ハンカチを首に当ててもよいと思います。 汗をかいたらちゃんと洗ってくださいね。 楽器ケースに入れると楽器が錆びてしまいます。(笑)
● ストラップで注意すること
フックが樹脂製のものは折れる可能性もありますので、絶対に油を付けないでください。
樹脂は油が付くと、分子構造が破壊されて、もろくなります。
長い時間たつと空気中の成分の影響で同じように、もろくなってきます。
寿命がありますので、何年か使ったら楽器を落とす前に交換しましょう。
実はバリトンの人が、この樹脂フックが割れてバリトンサックスを落としたことがあります。
フックがロック式になっているものも、注意が必要です。
大体のものは、内蔵されているバネの力を使っていますので、そのバネが壊れるとロックされなくなります。
過信して使っていると、楽器を落としてしましますので、バネが壊れたらすぐに交換しましょう。
私は、これで楽器を落としたことがあります・・・(泣)
途中からひも式のものや、ひもを使っているものは、時々チェックしてあげましょう。
ひもが痛んで、切れることがあります。
私は、自分で登山用の細いロープを買ってきて付け替えています。
● ストラップの改造
アルト・テナーサックス用は、共用のものがほとんどですので、アルトサックスの場合、長すぎることがよくあります。
そのまま使っていると、首が絞められるようになりますので、ストラップを縫いつけたりして、短い状態に改造することをお勧めします。
ソプラノサックスの場合も同様です。
ストラップが付けられない、ソプラノサックスやクラリネットでも、厚手の皮に穴を開けて、ストラップを掛けることもできます。
BGにクラリネット用がありますが、ソプラノ用は自作するしかないかもしれません。
● ストラップで首の骨が曲がる?
これは私の話ですが、楽器を初めて3年くらい経った頃、プロがとてもスマートなレイハイマンを使っていたのを見て、レイハイマンに変えました。
それから10数年経ったときに、頭がボーットするので医者に行ってレントゲンを撮ってもらったら、下から2番目の首の骨が凹んでいたんです。
それからは、ショルダータイプのものを使っています。
ブレザーなどの衣装を着ると格好悪いのですが、首や喉に全く負担がかからないので手放せませんね。
*何十年も毎日、細いストラップで吹いているプロもたくさんいますので、これは、私だけかもしれませんが、首に違和感を感じたらショルダータイプに変えてみるのも良いかもしれません。