君は真っ直ぐを知っている 僕の曲がりくねったを見抜いている お前 ほんとうにそう思ってないだろう 君の詩を読むとそう聴こえる 自分をしっかり持っている その真っ直ぐで たまにブーイングをもらう それでも曲がりはしない 君は僕のヒーローだ
僕だけの奇跡 二作の詩がすっと書けた奇跡 これを奇跡と言わずになんと言う? えっ奇跡という言葉ではなく 大袈裟って言葉がぴったりだって 確かにそうかもしれないけど 奇跡の詩って思った方が気分いいじゃん 自己満だって言うのか君は そう僕は自己満野郎でいいんだ 奇跡って言ったら奇跡だ
変わらない俺は違っていく みんなは上手に生きるから いつまでも泥だらけのままでは 誰もそばに近寄らなくなる みんなと騒いだ 楽しみの過去は寂しさとなった 変えられないのではなく 変わりたくなかった 身体を生かすには過酷な生活 公園の溢れ出る水を 口に含ませ日々を数える 蛇口には髭の伸びた 他人のような顔 孤独が囁き始める お前が選んだ道なんだろ もう変わってしまえ まだ俺には言葉がある 変わらない同人へ叫べばいい 世界はきっと広いはずだ 此処に集まり言葉を刻み 俺たちはもっと違っていく 新天地を創らないか
詩には ギターもなく ドラムもなく ベースもなく 裸で素を晒している ノリの悪いジャンルを やっているのは 自己満だけじゃないし それにピエロを 気取っているわけじゃない このひとりが めちゃカッコいいからさ 詩にはひとりの度胸が試される
あなたは強くて 負けないひとだった だけど弱音を吐くことを知らず 疲れてしまったのね 今は遠くを見ているばかりで あなたは誰になってしまったの それともずっと芝居をしていたの ねえ答えてよ 海の向こうに何を見ているの 私はとなりにいるよ ずっとずっとあなたを見ているから わかったことがあるの 私は弱くてもう崩れてしまいそう でもねこうやってあなたに 涙を流せるんだから大丈夫なの ねえ何を見ているの
だったの涙 さよなら そんな言葉は知らない だって聞きたくないんだから いつの日か そんな言葉は辛すぎてしまう 会えないのだから 歌うひとだったから 私は勇気もらえた だから言いたいことがあるんだ 泣かないで そんな言葉は言わないで もっと涙がこぼれてしまうから ありがとう その言葉は私に言わせてよ 大きな声で言わせて 優しいひとだったから 私は頑張れた だからいっぱいありがとう
へとへとになるまで働き 今日という日を詩にして 死んだように寝れる幸せ こんなラッキーを 有難くいただいて歳をとる ひとの顔色も自分の顔色も気にせず 大切だと思う一本道を歩き 時には走って息が切れ躓いて怪我をしても この身体で進める喜びと大きな空 今日も行く明日も行く明後日も行く
惑わされてはいけない 自分の景色を他人の色に染めてはいけない 表現することは評価を得ようとすることでなく 自分の中にある間違いのない言葉を探し ひとつの感性を露骨に複写していくことだ 誰でもいい自分なら自分は誰でもいいのだから 人間も社会も宇宙も捨ててただ自分が書くために
霧の森にいる 突然、彼女は鬼ごっこをしようと言った 足の遅い僕はすぐに捕まってしまう だから鬼をやることにした くすくす笑いながら彼女は逃げてゆく 息を切らし頑張ってみるが 触れることはできないようだ うつむき息を整え顔を上げたら 彼女は視界から消えていた 目先の小枝が揺れている 気配は遠くへ行ってしまった もしかしたら僕は最初からひとりで この森に迷い込んでいたのか そんなふうに思えてきた いつのことだろう 彼女と触れていた時間があった 声だって聞いたことがある 優しいキスだってしたことがある それなのに今はどうもおかしい 鬼さんこちら手の鳴る方へ 彼女はまだいるんだ 声が遠くから聴こえてきた 懐かしくせつない気分に包まれる 鬼さんこちら手の鳴る方へ 鬼さんこちら手の鳴る方へ 鬼さんこちら………
さらさら重なり ここはどこのあそこ 光は私に反射すればするほど ここはどこのあそこ 静けさに耳を傾けてみると 未知に身体をピクリとさせては 白い呼吸の詩に変えてゆく この静けさは誰が聴く この冷たい切なさは誰が聴く ひとりの景色は 便りの種になり春を待つ たらたら解ける ここはどこのあそこ 雨は自分の形を残せば残すほど ここはどこのあそこ 廻り廻る長さを聴く 人生のどの辺に立っているのか ひとりの景色は 地に浸みて沈んでいく この滴は誰が聴く この冬を消す音を誰が聴く ひとりの景色は 便りの種になり春を待つ