家の前は砂利道 滑りながら躓きながら 膝は瘡蓋だらけで 走り回った 石を拾って その個性を眺めては 気にいった石を綺麗に洗い 家のブロック塀に並べ 雨が降り 水たまりができれば わざと水を蹴飛ばして 遊び場の道があった 砂利道は舗装され 今は車が偉そうに走る
モノに魂は宿る 無念だった叫びは 一本柱の鳥居に託され 悲惨さを伝えるため 人々に守られながら 今でも言葉を発している 私たちは手を合わせ 過去に未来に祈る 消さない消えない 哀れで辛いことだが 平和の反対側 一本柱を階段の下から 私たちは考え思い祈り続ける
君は言葉を持たぬ姿 だけど 勇気が伝わってくる 君は太陽だから 僕に陰をつくり守ってくれる まっすぐに少し首を傾げ 今日も おはよう と葉っぱで手を振って 言葉を持たなくとも 君は僕の太陽 夏の応援隊長なのさ
僕はもらった 生まれた時に空っぽの箱 いろんな気持ちを詰めながら 箱もどんどん大きくなった 叩かれて凹んだり 抱きつかれて凹んだり 泣き付かれ濡れたりして 心のようにカタチが変わった 僕はこの先 どんな箱になって 何処へ配達されるのだろう
何発も打ち上げられる花火 散った後の白い煙 しばらく黒い空に浮かび流れ 天へ召されたように消える 今年も派手に花火が打ち上がり 俺は腕を組み冷たく見ている 周りで拍手が湧く 確かに綺麗で爽快な広がりだ どんな気持ちでひとは この花火を見ているのだろう ふと ひとを横目で見ている 瞳が断続的に光り 嬉しさが頬から滲み出ている 俺は素直に花火を楽しめず 大衆の中で孤独を感じ それでも此処にいたいと 不思議な気持ちに癒されている あの白い煙を見ると 今年も故人たちを想い出し 繋がる天と地 夏の夜空に浮かぶ白の想い 俺は今年も こちら側の大衆に紛れている
ご飯を食べ運動して それだけで生きられる訳ではない 魂のある言葉に触れ 魂のある優しさに触れ 魂のある悔しさに触れて 自分を燃やしていける根拠 場面がある 感受性を疲れや苛立ちで 覆ってるばかりじゃ始まらない 魂を魂に響かせ力を得ながら 思いっ切り死へ向かって 生きるだけなのさ
どない先輩の挨拶は いつも、どないっ? まあまあですかね ほんで? ………さあ? 自分、おもろいなあ 確かに先輩は面白いひとですね ちゃうがなあ、まあええわ ああ、懐かしいなあ どない先輩 今はどこで何をしているのだろう 元気にしているのかな 先輩、最近どないっ?
「ゲゲゲのゲタロウ(下駄郎)」だと思っていた 自分のイメージで言葉を覚える癖があった 何回もアニメのオープニングで 「ゲゲゲの鬼太郎」、と見ていたのに…… これが訂正されたのは数年後、中学生の頃で 思っ切り笑われたことがあった 母は「とげぬき地蔵」を 「骨抜き地蔵」と言っていた これが遺伝だとしたら 俺の詩には怪しい言葉がもっとありそうだ 怖すぎるっ