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詩は元気です ☆ 齋藤純二

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#落語詩

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蕎麦食いねえ
ずるずる
ああ旨えなあ

役に立つ扇子だ

ポンと相づちを打ち
竿になってあんたも釣れる

ひろげれば羽

刀になって
おぬし出来るな
と言ってみたり

まあ扇子ってのは
便利な道具さ

扇子使う
センスがあればの話し

なんだって
この落語が落ちてないって

お粗末様でした

#詩

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#虫詩

thread
#虫詩


ああ僕、てんとう虫
でんでん虫じゃなくてごめんね

えっ、謝らなくてもいいって

僕の声が聞こえるんだね
でも、紫陽花の色に紛れて
僕のこと見えないでしょ

えっ、めちゃ見えているって
それに黒いって

そうか、僕は目が悪いから
じゃあ、君の顔に隠れるよ
ほら、君のほくろ

えっ、擽ったいって

#詩

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#抗う詩

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俺の過去と未来が今の詩になって
泣くよ笑うよ踊るよ
タラッタ、カツカツ、コンコンコン

ここでノリにのって、ほらっ
抵抗らを弾き飛ばし
激しく言葉は白に黒で跳ねるよ踊るよ
タラッタ、カツカツ、コンコンコン

ああ、もっともっとだ、もっと荒々しく
タラッタ、カツカツ、コンコンコン

#詩

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#裏切り詩

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小学五年生の時
転校先で楽しみ会があった
土曜日に突然

その日、前の学校の友だち数名と
オーメンの映画を見る約束をしていたが
そっちへ行くことはできなかった

数ヶ月後、街のお祭りで
オーメン派の友だちとばったり

アメリカドッグについたケチャップを
思っ切り顔につけられた

確かに俺は謝っていなかった
アーメン、オーメン……、ゴメン

#詩

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#自動

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自分の社会を雲にして
ぷかぷか浮かせ
何のためが遠すぎる場所は
死に近いだろうと
誰も知らない答えを
決めつけアラームが鳴る

#詩

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#サイクリング詩

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僕の自転車は27段変速
もちろん直角に昇る道路だって
スイスイと上って行く

僕の自転車は27段変速
真っ逆さまに降りる道路だって
スムーズと下って行く

僕の自転車は27段変速
理屈なんてどこ吹く風になって
キラリンと走って行く

#詩

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23:27

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夜遅く上りの電車
この車両には誰もいない
僕すらいない気がして
内外を見せるガラス
重なる対面

生きてきた僕が白黒で
色を何処かに忘れてきた
その顔は無愛想で
コントラストさえ弱く
静かな車両には
鉄の波が聞こえるだけ

確かにあった
盛り上がりのない物語
それでも淡い青を感じては
涙を流したこともあった

欠けている
中途半端に欠けている
僕らしく崩れ
微笑む勇気がまだない

#詩

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#ことば詩

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高校生の時
話す言葉を失った同級生がいた
「お前の声、気持ち悪い」
と小学生の時に言われて以来ずっと

声を出さないことは
日常生活で支障が大きく
かなりのストレスがあっただろう
しかし、それ以上に
自分の声は醜いのだから、と

返事ひとつしない
彼は声を取り戻しただろうか……

#詩

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蚊人

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蚊人
朝に詩を書く……
#詩

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言葉採集

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言葉がぷかぷかと
浮かんで来たところを
虫取り網を振り回し
飛び跳ね引っ掛かった
鈍間な言葉たちを虫かごに入れ

隣村に住んでいる詩人さんへ
今日の収穫を見せに
せっせと歩いて行った

山をひとつ越えるので
足には熊のマメが出来た
熊が身体を引っ張ってくれて
楽に進むことができた

詩人さんは家の前で
大きなへの字を滑り台にして
難しい漢字を滑らしながら
にやにや笑っていた

虫かごを詩人さんに見せると
への字の滑り台を立てて
くの字の登り棒にした

これに登らせなさい
と言うので虫かごの蓋を開けた
言葉たちは勢いよく登り始めたが
曲がったところで団子になり落ちた

#詩

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