見えない私は 見ようとしない私がいて 見えない 同じ道しか歩かず 失敗のない私ばかり 見ようとする 景色はいつも同じでないと 私でいられない 私でない私も私であって 私は諦めている 私は私を諦めて 私になろうとしている ひとはそれを 甘えと言うのだろう それでも 見ようとしない私がいて そんな私を 壊したい私もいる
どんきゅら どんきゅら 僕はなななななな どんきゅら どんきゅら ここちよい寂しさの 夢は未来になくて 過去のののの どんきゅら どんきゅら 伝わらないから 僕より それぞれが咲いて 救われ どんきゅら どんきゅら 小さくなって 僕はなななななな
指先を凍らす季節が来る 頭の中で描く世界も 冷たさに動けず 吐き出せない苦悩は 行き場をなくし 身体の中で心が扁形する 再び来ようとしている お知らせの風が 枯れ葉を落とし静かに鳴り どこに希望があるのか 探すことにも疲れ 背を丸めベンチに座り 足先を包む 雲の谷間からの光に 涙を流している
ねえ わたし とことん 詩んでもいい ああ いいんじゃねえ 詩にたいんだろ 詩ねば えっ ほんとうにいいの だって俺も お前の知らないところで 実は詩んでるし めちゃ作品あるぜ うそっ それっ やばいじゃん ジャンル的に おねがい そんなこと やめて 詩ぬなんて えっ お前は俺に とことん 詩んでもいい って訊いたよな 自分だけ 詩まみれに なろうなんて ゆるせねえ でも あなたには 全うな道を 歩んで欲しいの そんなこといって もう詩なないと 俺もお前も 生きていけねえじゃん 一度の人生 詩んでいこうぜ そうね たしかに もう詩なないと 駄目かもね 私たち おう 詩んで 詩んで 詩んでいけば いいんじゃねえ 楽しいし 活力にもなるし なっとくなっとく 一度の人生だもんね いつまでも 一緒に詩にましょう 詩んで~詩んで~ 詩まれて~詩んで~ へんな歌っ でもなんか幸せ 私たちもっと詩のうね
ほどよい列車のゆれ 栗橋あたりから 稲穂が 私を束ねないで 新川和江さんの詩のように 風の自由が語りかける 初めて足を運ぶ文学散歩 もし 詩の朗読をすることがあれば この詩を風邪で掠れた声だけど 歌ってみよう 今年は 雨の多さに埋もれた街があり 辛い季節に萎えた それでも自由を失わず 心だけは強くありたい 車窓の向こう 稲穂が風を背に垂れている 今日 新川和江さんの集められた 一万冊の詩集に囲まれに行く きっと強く生きるヒントが 見つかるような気がする 列車はゆれる ひとはひとに救われ 微笑みを返せるのだから
大きいおねえちゃんは ぼくのことを 人形だと思っているんだ 頭にリボンつけ スカートをはかせたり ぼくがいやだと言っても だいじょうだいじょうぶ すごくかわいいからと言って なんだか楽しそうだ おねえちゃんが好きだから がまんしているけど ぼくは ヒーローになりたいんだよ
どちらかといえば 嫌いだったタイプの 君を好きになった パープルに髪を染め 清潔感の反対側 地べたを滑るスカート 黒いマスク 怖がられている 睨みつける瞳 だけど僕にだけ見せる 嘘のない笑顔 近よってきた君 遠ざけなかった僕 次第という言葉に 育み歩いた 突然は二つ目の季節 台風の後の青い空 君への仕打ちは 雲ごと消され 君の反骨 その代償は辛く 塀の内側に 思いを募らせた 君は本当に 僕が好きだから もう逢えないだろう 汚したい空 さよならのかわりに いつもごめんね という君を思い出す この空を知っていたんだ
知っている 豆腐がどうしようもない 僕を救ってくれることを 躓いた時に 何気にクッションとなって 痛みを与えない もうやっていられない そんな時に 豆腐が巨大化してプールになる 僕は狂ったように 破茶滅茶な格好で泳ぐ 腹へって死にそうだ そんな時は醤油をかけて いただきます と