寂しさと希望の色をもつ 泳ぐよ飛ぶよ 一つひとつのハートが 進んで行こう と、曇天の空から導く風に 僕らは吹かれながら 涙を流しているけど その意味を探ってはいけない 雫の道のりを素直に…… どんな時でも 僕らの前で咲いている 僕らの後ろで咲いている 僕らは進んで行く
いっせいのせ 声を合わせたように 僕らを驚かせ咲き始めた 春の祭りは空で ぱぱん、ぱぱん と音が聞こえるようだ 手を伸ばせば なんだか踊りたくなって よい、よい、よいよ よい、よい、よいよ 花見だ、酒だ よよいののよい
書きたいのか 書かなきゃいけないのか これが仕事なら苦痛なこと 趣味に少し気合が入ったくらいが 丁度いいのだろう 今の距離間を大事にしよう 心が身体が潰れてしまわぬよう 嫌いにならないよう 自分に染み込ませる言葉を 繋ぎ合わせて行くよ 気が付けば書いているような そんな時間を楽しみつつ
今日の夢を飲み込んだら なんだか空は灰色で悲しそうです 今にも泣いてしまいそうな 痛くなる冷たい風を いつまで感じていればいいのかな、と 自分の声が吹いています 帰る場所を知らずに歩いたら ネコジャラシが揺れて笑っています 腹を抱えて楽しそうに 今日の夢を飲み込んだら 白紙の明日になってしまうよ、と 足のある家は逃げて行きます
実際に 空へ話しかけたことはなかった いつも詩作の中では 空との会話を創り出しただけ 聞いてくれないと決めつけ 信じていなかったんだ 勝手に創り出した僕の空は空でなかった 僕は想像を軽んじていたのさ 現実に繋がらない想像などないのに 空くん 初めて話しかけてみたんだけど 今は何を伝えてみればいいのかわからないけど 君は青いね…… 実際に 話しかけてみたら空が僕が想像が みんな寄り添って来たんだ 声を出してみることは大事なんだね
遅いわ 私の世界は 天気に苛められる お日様の下で 手を振り歩きたい時 雨が降り 屋根の下で 雨音にしんみりしたい時 疲れるお日様 私の気持ちとリンクしない 晴れのち曇り雨 でも 貴方が居れば すべていい天気に…… 私の世界は 貴方に左右される 早く来て
さくら浮く日曜日の昼どき 川の流れにきらきらと光の魚が泳いで 僕は土手沿いを歩いていました ひらひらと目の前を蝶々が飛び 足元の段差に気付かず 僕は転んで草むらに倒れ込んでしまいました 随分と疲れが溜まっていたのでしょう そのまま、身体を反転させ仰向けになり 鳥のように両手を広げていたのです すると、疲れた身体の重さはみるみる土に 吸い取られるのがわかりました 心も身体も自分のモノではなくなってゆく 心地よさを感じていました もう宙に浮いています これ以上ない青さが目の前にあって動きません とっても爽快な気分の中 人生の終わりについての不思議も感じていました この物語の主人公である僕が居なくなり 僕でさえ僕を思うことができないと考えると 僕が僕を可哀想になってしまうのですから 僕は僕をどれだけ好きなのだろう、と 勝手に照れくさくなりました 風の優しい指がとても癒してくれますが こんな時、明日までに準備しなくてはいけない 資料を思い出してしまいました でも、今はちょっと動けそうにありません 地面と空に挟まれて春を感じているのですから 今、僕は春を生きています
今朝、点字ブロックの前で目を閉じて 電車が通過するのを待った なんて怖いのだろう 死刑台の前に立っているようだ 電車が接近している音に怯えて目を開ける 目の見えない方や弱視の方は このような恐怖と共に生活しているのだ と、点字ブロックの黄色が語っていた