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詩は元気です ☆ 齋藤純二

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#測量詩

thread
僕は最近
自分を測っている
どうやら地図を作るには
必要みたいだ

しかし正確に測るには
ひとと比べてしまう
悪い癖がある

そして
デカ過ぎる地図を作っても
歩けなければ意味がない
小さすぎても
ぜんぜん面白くもない

地図を片手に
いずれ旅に出る
まずは
僕を正直に測ることから

#詩

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#禁煙詩

thread
タバコをやめ
爪を齧るようになり
指をしゃぶるようになり
なんだかイライラして
うぎゃーうぎゃーと
泣き始めました

そしてサチコは私を抱き抱え
歌うのでした

折れたタバコの吸殻で
男の嘘がわかるのよ



#詩

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てにおは君の嫌いなところ

thread
て君

距離感近い説明する


に君

差し響かせ説明する


を君

決めつけて説明する


は君

つまらなく説明する

#詩

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透明人間

thread
ずいぶんと
俺は俺を忘れていたよ

昨日の雨
いつもの轍に溜まる水となり
そこから青空を見つめ
風に気分よく揺れながら
あーだのこーだの考え
ゆるゆるに透過する

清々しい俺を感じては
濁りのない幸せとかいって
笑っている素っ頓狂

ああ好きだな
世間とは遠いところで
この嵌って守られ
俺がどんな人間だとしても
透明に帰る俺がいる

#詩

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#旅詩

thread
たびたびたびだつ
たびなれたたびびとは
たびかさなるたびをするたびに
たびせんだけがたびたった
びたいっせんもないたびびとが
たびのそらをみるたびは
たびにたびするたびびとのたび
たびびとはこれをたびたび
たびしいという

#詩

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ここから。

thread
「心のどこかで自分の詩に満足しているという不自由」

これに気がつくのに四十年かかってしまった。
ああ、やはり先人たちから学ぶことは大きい。
ここから。
#詩

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ボクの空と雨ふり 

thread
初めて書いた詩を覚えている
内容は忘れているけれど
ボクはその時に
言葉の連なる絵をきれいだと思った

頭の上を余白の雲にして
落ちてくる言葉は
センチメンタルな雨ふり
愉快な雨ふり
句読点を使わないことに
ちょぴり不安になった気持ちと
自由になれた不思議があった

ボクの思いをふらすと
この空は鏡より
正直に省みと希望を映し出す

そして
今を過去と繋げるスペースをもち
今を未来と繋げるスペースをもつ

シトシトランラン
ボクはこころ模様を描きながら
いつまでも遊び続けるのさ



#詩

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#感謝詩

thread
窓辺
雲の隙間から日が届き
タブレットの画面が暗くなり
私たちを見てください 
青々した葉が輝き出して
揺れるほどの風に乗り
いっしょに踊りませんか
の囁きに軽くステップを踏み
手のひらをさし出して
閉ざされた場所から
聴こうとする音楽が流れ始め

#詩

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#感謝詩

thread
アーティストたちが
俺たちは音楽を愛している
私たちは絵を愛している
なんだかクサイこと言って
なんて思っていたけれども
ちょっと待てよ
自分を支えてくれた詩に
感謝をしたことのない気付きに
欠けていた心根を知る
あたりまえの日常にある詩に
これからは有りがきを思い綴ろう

#詩

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幸せを乗せて走る

thread
オートメーションの波にのり
俺は組み立てられ丸い足の男になった
メタリックの黒いカッコいいボディ
生まれた時はすでに成人として扱われ
すぐ出荷され店頭に並んだ

俺をゲットしたのは大学生
痩せた身体だが力強くペダルを踏み
風を切り爽快に走らせる

サドルの下に押し込んだ布を取り出し
「お前、イケてるチャリ男だよな」
と、磨いてくれるんだ

家族を知らない俺だけど
君を相棒と思うことができ
幸せを知ったんだ

桜吹雪を通り抜け
汗をかく君と蝉時雨
紅葉の峠をのぼり広がる絶景
雪の中で俺を手押しする君

そんな日々はとても早く過ぎる
俺の寿命は君ほど長くないだろう
至るところが壊れ始めた
それでも君は器用に優しい手で労り
修理をしてくれたんだ

しかし
そんな日々は終わってしまう

君は結婚をして家族がふえ
スポーツタイプの俺より
子どもを乗せられるママチャリを
使うようになったんだ

俺の役目はもう終わったかのように
ガレージの隅へ置かれカバーで覆われる
真っ暗な世界が続いた
もう捨てられるかもしれない……

せめてもう一度だけ君と走りたい
それが叶うなら俺には悔いなどない
君を信じて願った

明るい世界は突然にやって来た
俺は眩しい中で君を見た
目尻に小さな皺をよせ微笑み
以前よりも落ち着いた感じだった

俺は分解され磨かれ
オイルの染み込んだボディで復活だ
そして走り出すと小さな自転車で
子どもが真剣な顔をしてついてくる

俺はなんて幸せ野郎なんだ

君が家族を教えてくれた
愛された幸せを感じている
もしその日がすぐに来ようとも
もう俺には悔いなどない

今はありがとうの気持ちのまま走ろう
この先にある家族のため

#詩

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