2007年の11月、やっとこさ退院出来た私は、社会復帰に向けてリハビリに燃えていた。
遠く、太平洋の向こうに住む姉が、その時持っていた全てをかなぐり捨てるようにして、
日本に来てくれた。食べること、歩くことなどのサポートをしてくれた。
家族のありがたさを本当に感じた。
2008年1月、念願の社会復帰を遂げた。それがたった数日で終わるとは夢にも思わず。
同月の終わり、私はまた病院のベッドの上にいた。
今度は、SLEが全身の「皮膚」の炎症として出た。
火事の中からかろうじて助け出されたような姿、顔から足の先まで全身、真っ赤な水ぶくれが出来、
それがつぶれてドロドロになった。
鏡を見ると、ぶっちゃけ自分が「女性」なのか「男性」なのかも分からないような感じ。
非常にレアなケースということで、大学病院では研究材料として挙げられ、
学生たちが行列を作って私の皮膚を観察したり、触れたりした。
そんなこんなで、またステロイド治療。
とうとう恐れていた「副作用の中で、危険といわれるもの」が出てきた。
ステロイド精神病と呼ばれる、一種のうつ病と、記憶障害だ。
ひどい時は、目の前にいる母親の名前も忘れてしまった。もちろん担当のドクターのことも。
長いこと入院している病棟でも、迷子になった。たぶん認知症にも、似た症状だったと思う。
今ではハッキリ思い出せることがひとつ。
テレビをつけた時に、CMにブラッド・ピットが出てきた。
結構、好きな俳優のひとり、彼の映画は何本も観た。
しかし当時の私は「どこかで見たことがある外国人」とまでしか分からなかった。
同年、3月退院。身体の症状はだいぶ治まったのであとは、退院して回復を待つ、ということになった。
しかし本当の意味で危険だったのは、退院してからだった。
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Posted at 2010-11-04 21:01
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Posted at 2010-11-05 02:04
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