「東海自然歩道」と言われる通り比較的、安全に山道が整備されている。
これならば身軽な軽装備でも歩けると思った。
しかし「登山」の・・ハイキング・トレッキングの範疇に入っているからか??
行き会う登山者がいない!?!人気がないのだろうか??
ダムサイトにはあれほどの人がいたのに・・・!?!
お陰で静かな自然に包まれてのんびりと歩けた。
途に広河原があり、そこから右岸を上がって行くとすぐに大木が目に入ってきた。
ブナ(漢字に置き換える字はないと聞いている?)の老木だ。
樹齢400年はあろうか(ブナの成長はとてもゆっくりだから)。
この木、世界遺産登録で有名になった白神山地の主要構成樹木。
ブナの葉って、形が面白い。葉脈が葉の縁に向かってへこんでいる。
そのへこんだ部分が雨粒を溜め、枝から幹を伝い根元に流れる。
それ故か、ブナ林は、涵養保安林でもある。
目の前の1本の老樹、周り植物達を養っている感じだった。
ブナは、ひし形の小さな実を付ける。その栄養価は、とっても高いが!?!
結実は、毎年と言うわけではなく不定期(気まぐれ!)。
ブナの森は、動物の生育に大きな影響をもたらす。
近年、ここ丹沢のブナ林の衰退が激しい。
大気汚染・鹿による下草の菜食、ブナハバチの大量発生などが衰退原因。
ブナの老木から少し登った所の台地は、動物・植物の交差点!!
台地の一画に鉄柵があり植生保護柵が作られていた。
周りのスズタケは立ち枯れが目立つ。鹿の食害か??
『☆植生保護柵
神奈川県では、丹沢大山保全対策事業の一環として1997年度から林床植生の衰退の著しい特別保護地区を中心に、植生保護柵を設置しています。植生保護柵内では、植物が繁茂してシカの菜食により絶滅が危惧されていた希少種の回復や、ブナの天然更新に役立っています。(「アトラス丹沢第二集」7pより)
また設置に際しては、地形の変化及び野生動物の移動経路を遮ることがないように40m×40mを標準としています。ただし、現地の微地形や樹木の立地状況に合わせているため、寸法は小さい柵では一辺10m、大きい柵では一辺50mに及ぶものもあります。なお、登山道沿いで登山者の目に触れる機会が多いこと及び特別保護地区内という事情があることから景観にも配慮し、網及び支柱は茶色に着色されています。
(神奈川県自然環境保全センター自然情報 第1号「丹沢山地の特別保護地区内における植生保護柵の設置実績と破損状況」より)』
「ぶな」で思い出した事がある。「ブナもやし」ってご存知か!?!
ブナの実から発芽した稚芽を“もやし”に見立て食べる。
秋、落ちたブナの実の中で動物たちに食べられなかった幸運な種子。
翌年、発芽する。このブナの稚苗、周囲の下草と生存をかけて戦っているか!
“ブナもやし”発芽した稚芽を強火で炒め、醤油、ニンニク等で味付け。
これが実に美味。採取期間が短い、採取場所も限られ簡単に味わえない。
自然派の我々には、春の珍味、最高の贅沢だ。
稚芽を摘む、間引きしてやるような! 共存共栄の手法!?!
用木沢出合1.7km 犬越路0.8kmと言う道標があり、
そこからは、ちょっとした登山道、コシツバ沢を見ながらの登りになる。
途中、道幅が狭くロープの張ってある場所もあるのでここから引き返した。
連れは、富士山好き。「犬越路からの富士山」!!は、内緒にして。
12月04日誌「西丹沢・東海自然歩道2014・11・16」
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