《雅羅・/・襍〝備忘録24-35〟❖ ’24-274 ❖》

ハンカイシオガマ(樊會塩竃) ... ハンカイシオガマ(樊會塩竃) ゴマノハグサ科(Pontederiaceae) 
学名: Pedicularis gloriosa Bisset et S.Moore
別名:ハンカイアザミ
初秋の山道、林縁で目立つ花。草... 初秋の山道、林縁で目立つ花。草丈は30~90cm。
花は長く伸びた茎の先に穂状につく。
山地の木陰や林縁に生える多年草。
葉は対生し大きな根出葉が下部にまとまってつく。
葉身は卵形又は広卵形で羽状に全裂(羽状複葉)し、
裂片は不規則に深く裂けて尖った鋸歯がある。
葉身は10~30cmで15cm位の柄がある。
花は長く伸びた茎頂に付く。
枝先の葉腋から分枝した枝に複数付き、
花冠長さ2.5-3cm。
上唇は舟形で下面に毛があり下唇は先端が3裂。
萼は5裂。

ハンカイシオガマはフォッサマグナ要素の植物で、
富士山周辺にだけ分布し、
神奈川県では 丹沢、箱根のブナ帯に分布する。
シオガマギク属の中でも特に背が高く、
花は長く伸びた茎の先に穂状につく。
火山活動が盛んだった頃、火山灰に埋もれないよう、
花柄を長く伸ばして実を結んだと考えられる。
大型の羽状複葉は下部に集まり、
小葉が更に羽状に切れ込む。
縁が丸い鋸歯でふくよかな風合いを醸し出している。
また半寄生植物と聞くが、数が少なく希少種である。
※     ※
フォッサマグナ要素とは;
植物の分布状態は気候や土壌、
地質学的歴史などにより決まってくる。
フォッサマグナ(糸魚川~静岡構造線の東側の地溝帯)の
南半分の地域に限られた分布をする
植物群のことをフォッサマグナ要素と呼ぶ。
フォッサマグナ要素の植物は、
新生代第四期(約300万年前~現代)の激しい気候変動と
火山活動という環境で分化した種類とされている。
フォッサマグナ要素には以下のものがある。
イワシャジン、ハンカイシオガマ、フジアザミ等。
寄生植物;
通常植物は葉緑素を持ち、太陽光のエネルギーを使って
水と空気中の二酸化炭素から炭水化物を作り出す(光合成)。
この能力から植物は「生産者」と呼ばれ他の生物と区別される。
ちなみに動物は「消費者」と呼ばれる。
しかし中には葉緑素を持たず、
他の植物(宿主)から養分を得ることにより生活する植物がある。
これらの植物を寄生植物と呼んでいる。
自分でも葉緑素を使って光合成を行うが、
不足する養分を宿主から補うものもあり半寄生植物と呼ばれる。
寄生植物、半寄生植物ともに根を他の植物体の中に進入させ
養分(炭水化物など)を吸収する。
寄生植物、半寄生植物には以下のようなものがある。
【寄生植物】:ギンリョウソウ、ツチアケビ
ナンバンギセル、ヤマウツボ
【半寄生植物】:イチヤクソウ、ウメガサソウ、キンラン、
ギンラン、コシオガマ、ササバギンラン、サイハイラン、
ハンカイシオガマ、ヤドリギ


《 山間の秋花〝樊會塩竃〟 ❖ 9月~10月上旬 ❖  》
**神奈川県植物誌** (2)... **神奈川県植物誌**
(2)ハンカイシオガマ Pedicularis gloriosa Bisset & S.Moore in J. Bot. 15:
295 (1877) の基準産地は大山(Bisset)多年草.
花茎は斜上して高さ 30~90cm,
大型の葉が基部に集まり,羽状に分裂する.
長い花茎を出し,分枝する
枝の先に短い花穂をつくり密に花をつける.
本州(東海地方~関東地方)に分布.
ブナ帯の林縁に生える.
県内では丹沢のブナ帯にはやや普通であるが,箱根には少ない.
丹沢山地の蛭ヶ岳周辺、表尾根・... 丹沢山地の蛭ヶ岳周辺、表尾根・行者ヶ岳周辺で観られた花。
今も元気に咲いているだろうか。


「令和陸年(皇紀2684年)9月30日、記」
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