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猫の揺りかご Blog

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  • 説得力の背後にあるもの

説得力の背後にあるもの

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先週の大河「麒麟がくる」。
帰蝶さまのセリフがめっちゃ説得力あったなぁ。

道三様であればどうするか。
そう光秀に問われて、

父に代わって答えよう、っていうあのシーン。

自分が父上であれば、信長様に毒を盛る。
そう答えたあのシーン。

そんな父上の答えを、
あなた自身はどう思うのかと問われ、

「私はそう答える父上が大っ嫌いじゃ」と答えるあのシーン。

あれ、実際に、
道三が帰蝶の夫を毒殺した過去があるからこそ、

あの怪演を視聴者が見ているからこそ、
そしてそんな父親に反発した帰蝶を見ているからこそ、

めっちゃ説得力があるんだよね。

あのシーンなしに、
ただナレーターが淡々と、

「道三は、帰蝶の夫である土岐頼純を毒殺し、
帰蝶に信長に嫁ぐよう命じました。
帰蝶はそれに強く反発しましたが、
光秀の勧めもあり、信長に嫁ぐことにしました」ってだけ語って、

すぐに信長への輿入れシーンに突入してたら、
今回のシーンの説得力は、塵のように消え去っていたと思う。

そういうことなんだよね、説得力って。

いやあ、ドラマでは描けなかったけどさ、
実は帰蝶が信長に輿入れした背景にはさぁ、

いろんなことがあったんだよねぇ。

道三が頼純にお茶を差し出して、
その中に毒が入っててさぁ。

それを知った帰蝶が激怒して大変だったの。
そういう裏設定があるから、今回のこのセリフがあるんだよ。

どう?すごいでしょ!?

って言われたって、「あ、そう」で終わりです。

どんなに緻密な裏設定があろうとも、
それを見せなければ、意味がない。

「ねえ、小説読んだ?帰蝶があのセリフを言った背景には、
 こんな過去があったんだって!すっごいよね!?」とか言われたって、

「帰蝶があのセリフを言った理由、
小説を読めばわかるよ!」なんて言われたって、

「はい?」って話なんだよな。

映画と大河じゃ時間枠が全然違うから、

映画を媒体にした「天気の子」では、
描けるものに限りがあったとは思うけど。

だとすればなおのこと、

細かい枝葉なんて斬り捨てて、
本筋に力を注ぐべきだった。

私はそう思います。


#ドラマ #レビュー

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