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現代詩の小箱 北野丘ワールド

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氷河のなみだ

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こどもよ
なんにでもいそがしいままが
じぶんのままが
いつかしんじつのやさしいままとなって
どあをあけてあらわれるのを
まって
ついにこなかった こどもよ

いっしょう
むかえにはこない
りっぱになれば
きっとと
なんぜんかいかのくうそうに
つつまれとけゆく
しろいくりいむ

いっしょうを
こどもよ
どこで
ひとりがきらい
でもひとりがすき
あそびたりないこどもよ
みんながどうしてかえれるのか
ふしぎにおもうこどもよ
ひとのみちなかでひがくれる
あかりがともるどこまでもつづくいっぽんの
みちが ぼうっとうかび
てくてくあるく

そらなんて ああ とびたくもない
こうもりのはねでとんでおもう
なんで もぐりなさいといわれるのか
うみのそこで しにたくてもしねないと
ろうばにいわれる

いともたやすくくちふたがれるこども
みずにつけられるこども
いきてるにんげんがおにさんなのだと
しっててあいするこども
だんぼうるにすてられる
こどもよ
いきてるのがきせきのようだ
だがかんたんなからくり
しなないものだけいきている

まま
ままか
ままにあいたいか

 (きこえた? ナギ)
 (きいたぜナミ)
 (すてきね)
 (でばんだぜナミ
  ゆるす
  ゆるすだ それだ)

くちびるむすんで
ぽつんとたちつくす
まま

ままにあいたいか
けれど
こども
あのよに                                    
ままをさがすな
ねからしみでるそのみずはのむな
うつくしければ
うつくしいほど
しびれてたおれるなるきっそすの
あおいはなだ

もえあがるひょうがのこころ
はげしいさけめを
かたまりとなり
うごきだせ
きょくほくの氷河のなかの
ひとつぶよ
#黒筒の熊五郎

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