ひと夏の背なかを 夜の指さきがなぞり わたしの心臓を 座標の軸に えがいた軌跡を存在というのなら 血液を一垂らしして 瞳がひらく 時を費やし 熟れた実をたべあるいた 内部の充実を わたしのものとして それでは何に 捧げたらよいだろう 氷のかけらが 膝のうえに落ちて フーコーの振子が青ざめてとまった