気候変動に関する政府間パネル(IPCC)というものがある。 IPCCは、地球温暖化に関する最新の知見の評価を行い、対策技術や政策の実現性やその効果、それが無い場合の被害想定結果などに関する科学的知見の評価を提供している。 数年おきに発行される「評価報告書」は、地球温暖化に関する世界中の数千人の専門家の科学的知見を集約したものだ。 毎日の天気予報が必ずしもあたらないように、地球の気象モデルをシミュレーションする事は、とても複雑で難しい。 さらに、CO2の排出量の予測となると、人口や経済状況というファクターが絡んでくる。 これを完璧な精度で予測するなどと言う事は、もちろんあり得ない。 その中でさまざまな前提を設定し、これまでの傾向を分析して未来を予測する。 だからこの「評価報告書」の四隅だけをつつけば、「CO2地球温暖化説は間違いだ」とか、「ほとんどの科学者は分からないと言っている」という内容の小説が書けてしまう。 しかし、しかしなのである。 「評価報告書」には、各項目の信頼性や可能性が明記されている。 つまり、不確定なものは不確定だときちんと記載されている。 実際に僕が矛盾を感じていた(あるいは知識が不足していた)個所に関しても、現在入手し得るデータから、どのような分析がなされ、どの程度の可能性や信頼性をもって発表されているかが明確に記載されている。 発生確率 >99%:「ほぼ確実である」(virtually certain) >95%:「可能性が極めて高い」(extremely likely) >90%:「可能性がかなり高い」(very likely) >66%:「可能性が高い」(likely) >50%:「どちらかと言えば」(more likely than not) <33%:「可能性が低い」(unlikely) <10%:「可能性がかなり低い」(very unlikely) <5%:「可能性が極めて低い」(extremely unlikely) 週刊誌の記事も読み物として面白いが、世界には真面目に取り組んでいる人達がいる事を知り、少し安心した。 だが、現状は手遅れとも言える段階に来ているようだ。 確定的な情報の代表格を以下に記載します。 ・二酸化炭素の増加は、主に人間による化石燃料の使用が原因である。 ・気候システムの温暖化には疑う余地がない。 ・1750年以降の人間による活動が、地球温暖化の効果(正の放射強制力)をもたらしている(信頼性:高)。太陽放射の変化による増加分よりも、人為起源の変化の総量の方が10倍以上大きいと見積もられる。
Posted at 2009-09-03 20:40
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Posted at 2009-09-04 06:03
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