ごきげんよう ようこそいらっしゃいました 雨の中を大変でしたね どうぞこちらへ そうですか 上司の方がお休みを入れてくださったのですか 貴重なお休みの日に 字念屋へお越しいただき有難うございます 紫陽花も色づき始めましたね ゆったりとした気持ちで 占いを聴いてくださると宜しいかと思いますよ では あなたの背後文字を見ていきますね はい 見えてきましたよ…… そうですか分かりました あなたの中核文字は「傘」 雨傘や日傘を意味する傘で 象形文字で分かりやすい字ですね 部首は人屋根(人やね)となっていまして 「合」の部首である蓋の意味合いとは違います ですから傘のこま(小間・駒〈傘布の部分〉)が あなた自身となって その下には複数の人がいるという字です 包容力があり人を守ることができ 信頼されるので人が集まって来ます たいへん頼もしい中核文字をお持ちです あなたはお若いですが 子どもからお年寄りまで みんなに好かれる素晴らしい方 はい そうですか ご自分の特性をよくご存知ですね 確かに人を守ろうとして 自分が疲れてしまうのでしょう 責任感からすぐ どうにかしてあげないと そう思ってしまうのですね そこはひと呼吸おくことが大事です そうなんです 焦ってしまうと良い結果も出ないですから あなたに念じてもらいたい文字は「間」 すなわち呼吸です それは自分を大切にすることにも繋がり あなたにとって 人を幸せにすることのできる文字なのです ありがとうございます ご理解をいただけて光栄です ぜひ「間」の文字を念じてくださいね 自分を大切にすることは人を大切にすることで 人を大切にすることは自分を大切にすることです いえいえ そうおっしゃっていただくと 私としても張り合いが出てまいります お言葉をありがとうございました 私には傘という中核文字はありません あなたにのようにたくさんの人が 集まってくることはないですね いつもお客様は一日にひとりかふたり そんなところですかね 商売として考えましたら 傘の中核文字が欲しいですかね 冗談ですよ 今日はこれくらいにしましょうかね また何かございましたらお越しください なるべくあなたのお力になれるよう 努力いたします それでは 本日は字念屋へお越しくださり 誠にありがとうございます 雨は止みましたね そちらの傘をお忘れないように ごきげんよう
詩に染まる日々の中 そよそよと吹く風にうたた寝 小鳥がさえずり 僕はどこかの記憶にいて 言葉のない詩 理想の舟 雲の上で揺れている 夢は詩を模りながら 曖昧な正確さを持って 歌うのだから 敵うわけがない ああ、この感じを 言葉に出来たのなら 僕はきっと詩人になれる 完全に目が醒めると 言葉に縛られ 言葉に操られ 言葉に染まり 拘束から逃げるように 夢に近づこうとする力でしか 今は進めない 言葉が言葉を越えないように 僕が僕を越えないように 寄せた言葉で象ってゆく 今はそれしかない
この世界に腹を抱え笑ってしまう 詩があってもいいじゃないか そうだこの方向性でいこう しかし、笑わすというのは なかなか難しいかもしれない ひとによって笑いのツボは違うし こりゃ詩とは言えない 俺は認めない、と 真剣に怒るひとがいるかもしれない だが、やってみないと わからないってことは良くある話 まずは一冊の詩集を作ろう 私だけではキャラクター不足だ トリオで三方向から攻めよう ひとりは おとぼけ詩 もうひとりは ハードボイルドにスケベな詩 そのまたもうひとりは ズッコケ物語な詩 これですべてのお笑い詩が 網羅されるに違いない いけるぞ、これはかなりいけるぞ あとは狙いをつけている詩人に 依頼して、詩を書き、印刷、束ねホッチキス そしてウケる、読んで幸せをあなたに
吐き出した言葉がすべて詩になるように、そんな理想を持って詩を書いている。しかし、まったくそれは上手くいかない。何度も書き直したり、誤字脱字があっちこっちと現れたり、詰まらない言葉が綴られているのだから、自分に幻滅ばかりするのである。しかし、最終的に行き着くところを設定してい事による詩への向上心は、メラメラと私を盛り上げてくれる。ひとそれぞれ、力まず詩を書くのもそれはそれで否定もしないし、またそれも生活の糧となり得る。はて、なぜに私は自分自身の存在を詩に染めたいのだろうか。それは、きっと考えていること、どのように生きて行くのか、その一直線上の先にある自分という作品を完成させたいという一心なのだ。そこへ進めばいい。複雑の中に自分を置くより、単純に自分を置いた方が解りやすいし、進みやすいし、迷いが生じない。さあ、今日も詩を食い纏い憂い、綴ろうじゃないか。
さようならに色付けて 虹が降り積もる街へ 僕は夢を配るのさ 楽しい物語はいかがですか ららら 眠い君へ ららら はじまるよ 昨日のグレーも 一昨日の真っ黒も きっと華やかな感じに ゆったりとして下さいね ららら カメさんが ららら 歩いているよ 雨上がり昼下がり 心地よい風がサラリと 君をさらってしまう 楽しい物語はいかがですか ららら 眠い君へ ららら はじまるよ
やらねば始まらず やらなければ悔いが残る やったらやったで叩かれる そんなの百も承知だ 最初から受け入られるほど 自分に人徳などないのだから 懸命、懸命、少し客観視して 懸命、懸命、あまり振り向かず 懸命、懸命、微笑みを忘れず やらねば始まらず やらなければ悔いが残る やったらやったで叩かれる たまに弱気になるけれど 俺以外のところで生きなくちゃ 自作の天命を全う出来ないさ 根性、根性、たまに休憩 根性、根性、ちょっとの疑問 根性、根性、微笑みを忘れずに
連なる静謐の なに問うことなく いろはにほへと あいうえお 流るる風の指揮 草が花が木が君の微笑みが あさきゆめみし らりるれろ ああ 青きに虹霓(こうげい)咲かせ 君と僕との440hz 同じ音色を知り ゑひもせすん わいうえを うん