磁気共鳴体
Jun
2
未来のJアラートと
過去の空襲警報が鳴り響く
それでも俺は疲れているから
横になっては眠りの戦場に
言葉が錯綜し
乗っ取られてゆく詩集
改ざんされた作品からは
悲鳴が上がりみんなは逃げだす
待ってくれ
そいつは俺ではない
たいして積み上げてものなど
ないと思っていたが
失ってみれば
その穴の大きさに驚く
今は動いては駄目だ
俺の歪みが写ってしまう
正確な病巣を撃ち落とすために
心を殺すんだ
「お疲れ様でした
ゆっくりと降りてください」
現実の声に背中は
世界を濡らすように冷たかった