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詩は元気です ☆ 齋藤純二

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なんでもない半日の物語

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さてさて、なんでもないだろう一日が始まった。よっしゃ行くぞ、図書館に。そんなに気合を入れなくても良いのだが、気合いを抜くと半日はすぐに過ぎてしまう。先週はダラダラしてしまって、後で自分の溜息に気分が悪くなってしまったから。

昼過ぎ、今日の図書館は閑散気味だ。春の太陽が燦々、世間は観光にでも行っているのだろうか。私は視界の五割が空という開放感のある自由席に座る。ああ、なんとラッキーなんだ。私にとってはポイントの高い幸せだ。

そして、いつものことだが直ぐに本は読まない。まず、詩をひとつ書く。が、今日は思考を変えて詩の題材をタブレットで検索する。「詩集 人気」でクイック。売れている詩集のランキングが掲載されているようだ。そこを閲覧。

なぬなぬ、一位は『あたりまえポエム』とかいう詩集だった。「なか見!」機能で閲覧。ほうほう、ほんとうにあたりまえのポエム? になっている。「あたりまえ」の力で癒されようとかいう趣旨の詩集らしい。これまた著作権が絡んでくるので、私が掲載されている作品に似せたものを考えよう。

今日がないと明日はないよね

ひとりでいるといつもひとりぼっち

知らないひとに誰? って言われた

星って星形じゃないよね

水は透明だけど見えるんだっ

まあ、こんな感じの言葉が綴られているようだ。私もこの本を読んだわけではないので、的はずれだったらゴメンって感じで。世間は病んでいるのか、言葉遊びを楽しみたいのか、妙な詩集?! が売れているもんだ。

ではでは、本を探しに行こうと思うが何か書きたい。 詩か、いや小説がなんだか書きたい。と思い今、この訳のわからない散文というか、小説というか、そんなもんを書いている。そこで、ひとつ。
「詩と小説の大きな違いはなんだろう?」
詩を書くのも小説を書くのも自分。違いは表現方法。そこにも一定の決まりごとなどないから、また面倒な話だ。しかし、そんな境界線を無くしてしまえば解決だ。いや、そうはいかない。物語を読みたい時にコテコテの詩が書かれていたのなら、それはそれで面倒なことになってしまう。難しい定義だ。難しいこと、今は考えたくない。それが休日の過ごし方だ。んっ、そこは納得。逃げっ。。。

そして、逃げた先は公園のベンチだ。雲がかかり、風が木々の枝を揺らし、この小説を書く環境には厳しい状況になってきた。ああ、タブレットの画面には雨がポツン、ポツン。雨粒の表面が明かりによって虹の色が出ている。しかし、雨上がりの虹ではない、これから来るぞっ、って感じだ。さあ、家に逃げろっ。

こんなところで、この小説は〆だ!

さいなら。。。

#詩 #雑記

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ヤバい

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そんな褒め言葉がある時代
やはり個性的な表現に
人々は魅了されるのだろう
そこから力をもらったりする

人と比較して
世間と比較する
それは社会でのお話し

でも
自分のヤバい可能性を信じる
それが大切なのかもしれない

ところで
何が大切なのか

君はそう問いかけてくるかもしれない
それは意外と簡単なことだったりする

ナチュラルさ

深淵へのダイビングする勇気は
君が持つ自然の追求
余計なモノをとり除ければ
らしさの充実は真実を見せてくれる

そして
微笑むためだ

たいした理由はないのさ
花が咲くように
ニッコリすればそれで良い

#詩

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夜に咲く花は……

thread
夜に咲く花は……

夜に咲く花は
俯きながら
眠ってしまった

咲く意味を
考え過ぎては
疲れたのだろう


夜に咲く花は
眼を閉じず
眠ってしまった

話し掛けても
言葉なき物語の中で
孤独を見つめ


夜に咲く花は
心を置いて
眠ってしまった

固まったカラダ
其処にいるようで
何処にもいない

#詩

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瞬かせる春

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言葉なく仏の空

誠の露は零れる夢

何処へ行くの我が調

知らずも善かれと率爾

其れでも野の上

明媚、明媚、明媚

#詩

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一本の木

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抜け出しだ暗闇から
どこまでも広がる青を知った

たくさんの手が方々に出て
風を抱きしめているつもりが
風に吹かれていたことも知った

それ程までに僕は小さかった

悲しみのお別れも知りました
手元の生きる瑞々しさを吸いとられ
枯れて僕のもとから落ち
それは頬をすべる涙のように

どうしようもなく切なくて
だけど僕は生きて行く
自然に添っていると気付き
救われることを知った

無力なのは仕方ないと諦めた
そんな時代もあったが
今は心持ちが少し変わって……

僕は僕なりにこの景色の中で
とっても小さい存在だが
青に向けて語れば語るほど
たくさんの手が広がり
成長を続けることを知った

喜ばしい自然の中で
景色であることの誇りを持てば
どこまでも大きくなることだろう

そして
いつの日か小さな役目を果たし
静かに朽ちて行く喜びを知るだろう

#詩

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窓の外

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賑やかだった教室にも
柔らかに落ちゆく陽が射し
ひとり僕は窓の外を眺めている

いつもの校庭
若葉も紅く染められ
春だというのに暮れてゆく音楽が
聴こえてくる不思議に
僕は此処にいることに溶けて

お疲れ様でした

運動部の声が家路へ誘う
カバンを背負い教室を出て
階段を降りる足音は
冷たく静かに癒してくれる

校門には君がいて
胸の前で小さく手を振り微笑む
僕は右手を軽くあげ
上手に微笑む顔を探している

何していたの遅かったね

少し怒った感じだけど
嬉しそうな表情で君は僕の顔を覗く

ごめんね
なんだか窓の外を眺めていたら……

よくわからないけど帰りましょう

君の細く温かい指が絡まり
僕と君も窓の外の景色になってゆく

#詩

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感情のスケッチ

thread
詩を書く時
私の感情は方位磁針となり
ひとつの昂りを指す

喜びの赴くまま
揺れ

怒りの赴くまま
尖り

悲しみの赴くまま
凹み

不安の赴くまま
撫で

不思議の赴くまま
旅し

勇気の赴くまま
堅く

あるがまま
感情を紙面に泳がせ
方位磁針の先に自由を獲得する

感情の物語を
表現する喜びを知ってしまったら
もう書かずにはいられない

その発する言葉の
止め方などもう誰にもわからない

#詩

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嫌な予感は外れて……

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束の間の安堵
今日、戦争が始まってしまう
そう感じていたから

電車の中では
危機感のない顔が並び
どうして周りの人がそんなに
落ち着いていられるのか
不思議だった

そんな自分も
仕事へ向かっているのだから
大丈夫だ、戦争なんて起こらない
心のどこかで精神のバランスをとって


小さい頃に
戦争の話を身内から聞いたり
テレビなどで悲惨な映像を見ていた
それが夢でうなされるくらい怖くて

虫けらのように殺される
次は自分が、と

大人になってその恐怖は
遠いところに行ってしまった
しかし再び日本に
黒い空が包み込もうとしている

もし自分の守るべき家族が……
そう思うと
小さい頃、感じていた恐怖に
さらなる絶望を載せ襲ってくる

ボタンがひとつ押されれば
すべてが終わってしまう可能性
核ミサイルの脅威

ボタンを押すために核ミサイルを
造ったわけではないだろう
自国に打たれないため、権威を保つため
脆弱な均衡を保ってきたというのか


何かひとつ狂ってしまえば……


その時が今日だと予感した
嫌な予感は外れ
胸を撫で下ろしてはみたものの……

帰りの電車も
危機感のない顔が並んでいる
今日という日が
きっと世間では平和に流れたのだろう

そして
私の嫌な予感は続いてゆく

明日かもしれない、と

#詩

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始まりの傷

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いいよ

君のその言葉はラヴではない
僕に対する優しさだった

何度も抱いてしまいたい
そう思っていたけど
水を被ったように冷めてゆく

君の優しさは鋭い棘
僕のエゴは鋭い棘

重なり合ったのなら
傷だらけになるのだろう

一瞬で理解したふたり

僕でなくてよい君
君でなくてよい僕

でも
そんなに単純ではない
傷だらけになりたい僕と君

そして
その傷を慰めあいたいふたり



……そこが
ふたりの始まりだった

#詩

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昨夜、落ちてしまったが……

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とりあえず布団には入っていた
右足の靴下を履いたまま

少し横になっているつもりが
夕飯を食べてすぐに寝ていたようだ
すこし早い目覚めに
日々のするべき行程をいくつか飛ばす

とりあえず歯を磨き顔を洗う
もう片方の靴下を探しながら
大事なことをひとつ思い出し慌てる

ごはんの炊飯タイマーをしていない
そんなわけで早炊

休日にチャージした体力を
月曜の一日でずいぶんと使ったようだ

しかし
今日の睡眠は質が良かった
頭は軽いし首腰の調子も悪くない
詩も日記のようにすらすらと

よしゃよしゃ
たまにはこんな日も良いもんだ

普段はそんなに早寝は出来ないが
睡眠は日々の活力源
しっかり確保せねばいかんなあ

一日が三十時間あったら
なんて思うことがあるのだが
二十四時間で上手くやって行こう

#詩

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