ホームに立ち 五分遅れの電車を待つ 首筋を通る乾いた風 雲のない秋晴れは直線的 僕の服は 布団を干した時のように 紫外線を含む匂い さあ、前橋へ行こう 猫フェスが待っている さて、詩の祭典 前橋ネコフェスへ行こう 私の猫詩も展示して頂いたので 記念に写真を撮ってこよう (主催の芽部の方々に感謝です。 いつも楽しい詩のイベントを催してくださって)
青かった彼も すでに土となっただろうか 俺も遠からず落ちてゆく 平等な決めごと 惜しみない色になり 軽くなりたらりさらりと 揺れ落ちるだろうか 土になる瞬間 光を感じるだろうか 魂の重なり合いに 俺は納得できるだろうか
一番、イチョウ さあ、風は振りかぶり吹いた カキーン おっと、これは大きい 乗るか乗るか、イチョウはのびるのびる これは乗ったでしょう 乗りましたイチョウ ベンチに座るおじいさんに乗りました 見事です、見事な幸せホームランです!
十四歳の白髪に 神経は脱色している 自由を奪われるほど カラダが死んでいく時間に 穴は空き赤が黒となって ぶら下げた点滴 学校では自分を突き刺し 何処かのルールと戦う オリジナルの道徳はアナーキー 創れる世界は 壊われる自分がいる限り 俺を殺し続ける青春
世界の微笑みを守るため 被災地へ届けと思いがあれば チリンと祈りを込めて 血液が足らぬのなら どうぞ僕の血液を使ってくれ 400mlでも成分献血でも チクリの針はちょっと太いけど 大事なのはどこかの誰かが 微笑むことなのだから 冴えない僕だって役に立つ できることを見つけたよ 奉仕は無条件に健全だ 難しく考える必要なんてない 苦しむひとがいる 少しの余裕が自分にあれば 微笑みを与えることができる さらに僕も微笑んでしまう 世界の微笑みを守るため さあ今日は遠くまで ボランティアに行くのさ
ラーメン屋に入って いらっしゃいませもなく 水もこないのだから たいして客がいないのに 注文が後から来た客に抜かされる やはり俺は透明人間なのか まあ、わざとこちらから声を掛けないと どうなるのか、試しているわけだが カウンターの真ん中で俺は透明人間 もう7、8分過ぎただろうか こんな詩を書いている場合ではないな なんだか腹が立ってきた ふつう、気がついて注文を 取りにくるだろっ 水ください 派手に手をあげ ちょっとデカめの声で 通り過ぎようとする店員に声をかける んっ、完全スルーだな あんたの視界に俺はいるだろっ おいおいそこまで存在なしかよ ああ、もう出よう ドアをガンッと閉めて出たけど やはりラーメンが食べたい そんなわけで違うラーメン屋へ なんだかドキドキしている また俺はラーメン屋で透明人間に なってしまうのではないかと いらっしゃいませ カウンターでよろしいですか おう、俺の存在があった ラーメンが食えるぞ 水もきたし注文もできた それにしてもさっきの店は どんだけ俺を嫌っているんだよ わけわかんないことが 起きるんだよな、たまに