Mar
16,
2022
佐伯夕利子著「教えないスキル」を読んで(Day6)「使うテーブルを『丸テーブル』に変える」
最近、嵌まっている、というか正確に表現すると「研究対象」にしている
「メンタルコーチング」
私はこれまで、ビジネスパーソンを対象にコーチングサービスを提供してきました。従って、アスリート向けのコーチングは新たな領域。
プロコーチ仲間から、有難いことにお声がけを頂いたので、これも何かの「啓示」。
昨年は東京で、そして今年は北京でオリンピックが開催されていることもあり、コーチング業界としてはホッとな分野です。
しかし研究とは言っても、先ずは一人で出来ることということで、メンタルコーチングに関する書籍を読み漁っています。
今日は読了した書籍の中で、感銘を受けたものをご紹介していきます。
それは
佐伯夕利子著「教えないスキル」
タイトルもさることながら、この本の内容は「衝撃」です。
副題が
「7つの人材育成術」
とあるので、7つの育成術を一つずつ取り上げていきます。今日は、育成術の五つ目です。
なおその際、佐伯氏がこの育成術を確立していく過程で、メンタルコーチがどのように関わってきたのか? メンタルコーチの視点も含めてお伝えしていきます。
【7つの人材育成術】
5.丸テーブルに変える(equality)
(1)コーチから一方的に教え込むのではなく、選手同士が学び合う環境を作る。それこそが学習効果を高める。ひいては先輩と後輩、コーチと選手といった階層をフラットにすることになる。
(2)試合前のレクチャーは先輩選手がするようになった。コーチたちは教わる選手たちと同じようにベンチに座って、ファシリテーター(潤滑油)になり、選手間の会話をまとめる役を担う。
(3)指導者の役目は「失敗しないように導く」のではなく、失敗を恐れず踏み出せる子、失敗を糧に出来る子供を育てること。選手の話に耳を傾けられる大人たちがいる空間を、人材育成の現場で作り上げていくことが大切。
(4)「選手の学びの機会が増えたかどうか?」そもそも指導者自身のヒエラルキーが学びを阻害しているかも知れない。そこで使用するテーブルを四角いものから「丸テーブル」に変えた。
(5)「言葉はアクションを生む。アクションがパフォーマンスを生む。パフォーマンスは習慣化する。」だからこそ、言葉一つ一つを大事にしていく。
(6)テーブルを丸に変えると、やはり気分が違った。テーブルのこちら側のコーチが一方的に指示、命令する空気はさらに減り、より選手の話に耳を傾ける場面が増えた。
(7)日本では指導の現場に緊張感や切迫感を求めていないだろうか?コーチが使う言葉に「集中しろ」「気を引き締めろ」という命令が多い気がする。そもそも日本語は尊敬語・謙譲語・丁寧語といった敬語があり、ヒエラルキーが生まれやすい言語である。
(8)「指導者は、選手の学びの機会を創出するファシリテーターに過ぎない」、と捉えるとヒエラルキーは邪魔になるかも知れない。
(9)選手は支配されると練習時間が長くなる。意味ある学びを習得できる。こうした環境づくりこそがスポーツの競技力を左右する。つまるところ、練習を何時間行うかではなく「学習効果を高めるためのスポーツ環境づくり」という発想が必要。
ではまた明日!
「働くあなたを元気にする」プロコーチ、砂村よしお
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