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内倉憲一 ニュースレター Vol. 277 チップが給料の一部と考えるアメリカ経済

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内倉憲一 ニュースレター Vo...

チップが給料の一部と考えるアメリカ経済

なぜアメリカではチップを払うことが当たり前なのでしょうか。論理的に考えて、必ずチップを要求するのであれば、その分の商品やサービスの価格を上げれば良いと思いませんか。「チップを含むと価格が高く見えてしまう」と言う経営者もいるかもしれませんが、最終的には同じ額を支払うのだからチップ分を入れて表示するほうが良心的だと個人的には思います。そういう意味では Sales Tax も後付けで請求されます。それについても、最初から価格に反映して表示すべきだと私は昔から考えています。

最近では、チップは18%以上というのがワシントン州の相場ですが、調べてみると、1950年代は、請求額の10%をチップとして渡していたそうです。1970年代や1980年代になると、その割合は15%に跳ね上がり、2023年には15%から25%の範囲でチップを渡すことが一般的になりました。

なぜチップが必要なのかというと、ウェイターやサーバーと言われる人たちは往々にして最低賃金や最低賃金以下で働いています。これはチップを含めた賃金が最低賃金として認められているからだそうです。そのため彼らが生活をするためにはチップが必要なのだと言われています。しかし、これはどう考えてもおかしいと思います。最初から正当な賃金を払っていればチップの必要はないわけです。

また最近ではほとんどのお店がテイクアウトのオーダーにもチップを請求します。また、Amazon Freshなどもデリバリーに対してチップを加算してほしいと書いています。Amazon Primeメンバーで商品を買うときはチップは不要ですが、Amazon Freshの買い物でなぜチップが必要なのか意味がわかりません。

それでなくてもインフレで物価が高いのに、それに加えてチップは考えられません。アメリカは良い国ですが、小手先で商品を安く見せて売るような真似はしてほしくないです。私は本当に支払う金額を最初から表示してほしいと思います。
 


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内倉憲一(うちくらけんいち)

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